カテゴリー : 音楽業界

音楽業界の衰退

「ネット配信などもあり、音楽産業はどんどん衰退していくのでしょうか?」というコメントをいただきました。
別に私が答える資格があるとは思ってはいませんが、戯言と思ってお聞きください。


これからも衰退していくかどうかは、何とも言えません。
ただし、一時期より衰退したことは事実です。
従来レコード業界で働いていた絶対数ですが、正確な数字は持っていませんが、感覚的には1/3です。
つまり、一番社員が多かった時と比べて、2/3はいなくなったという感想を持ちます。
音楽事務所もそうですね、かつてはバンドを中心にしたプロダクションがもはや見る影もありません。
私が懇意にしていただいている事務所にラプソディというのがあります。
スターダストレビューの事務所です、他のアーチストもおられますが、ビジネス的にはスタレビ以外は成立していないようです。
それゆえ、社員を新規に雇うことは難しいとお聞きしています。
音楽事務所を経営すること、これは今では本当にリスキー。
レコード会社とのコネがあっても、もはやお金が回ってくることはあまり考えない方がよさそうです。
言いかえれば、従来のビジネスモデルはもはや破綻した、ま、そういうことではないかと拝察されます。
何度も例に出しますが、AKBの「ヘビーローテーション」、Youtubeにアップされている公式PV、アクセス数ご存知ですか。
何と5600万ですよ。これに10円かければ5億6千万。
いつまでもCDの販売枚数を増やすにはどうしたらいいか、などということに血道をあげている業界、未来があると思いますか?
音楽業界の衰退は、ある意味自業自得ではないかと私は思うのです。
他にもビジネスのやり方、あるだろうが・・・。
著作権がどうの、ネットへのアップがどうの、何古臭いことを言っているのでしょう、わが音楽業界の連中よ。


ということで、コメントにお答えしました。
アイドルの話、また明日にでも書きますね。

アイドル論~アイドルは儲かるか

アイドルビジネスは音楽業界衰退とともに、効率のいい商売ではなくなっているというような話をしてきた。
アイドルが今まで儲かってきたとするならば、それは音楽業界で潤沢にお金が還流していたということにつきるだろう。
アイドルを擁する事務所、特に歌手の場合、そのお金は契約したレコード会社から契約金・育成金と言う形で前払い金が入ってきていたというのがある。
契約金1億、月間育成金1000万という条件でレコード会社と契約すれば、事務所はとりあえず回る。
アイドルは、その代わり年間3~4枚の新曲を発売、それを毎回30万枚ほど売れば大合格になる。(アイドルは年間を通じて、休むまもなくテレビや取材に追われ、とても人間の生活とは呼べない状況になるが)
レコード会社は、アイドルが年間100万枚シングルを売ってくれれば、10億ぐらい金が入ってくる。
育成金ぐらい安いものである。
他にもシングルを集めたアルバムも売れるし、新しいアイドル発掘にも金を回せる。
とにかく、アイドルをめぐってお金は見事に還流していたのである。
今は、なかなかこうは行かない。
契約金はゼロということはないだろうが、今や往年の影はなかろう。
育成金なんか果たして出ているだろうか。
事務所はもちろん困るが、その代わり曲の原盤権(及び出版権)を事務所側でキープしているというのが一般的ではないだろうか。
しかし、アイドルをデビューさせる時に前払いされるわけではないので、事務所側もある程度の金を用意しておかなければならない。
しかも、売れなければ、これらの金はすべて消えてしまう。
早い話、とてもリスキーなビジネス、それがアイドルビジネスということになる。
今でこそ、AKBは、一体どれだけ儲けているんだという話が出ているが、2年前までAKBがどれだけ金食い虫であり、それをプロデュースした秋元康さんにどれだけの冷たい批判があったか。
芸能界は水もの、AKBがあたったのも、ある意味結果論。
お金をあれだけ突っ込めば、誰がやってもあれだけ売れるだろうというのは、大きな間違いである。
薄氷を踏むような勝利だった、それが私の知る結論である。
とにかく、狙うところがでかすぎたということも、一つの要因としてあったろう。
しかも、かつてのように音楽業界に金が潤沢に回り、少々損をしても、何かで簡単に埋まっていた時代ではなくなったのだ。
モモコクラブなんか、大失敗の一つだったし、後期イカ天のバンドなんか、投資した金は回収もされず、ブームは消え去ってしまった。
とにかく、今の音楽業界には一時期のような金は存在しない。
にもかかわらず、新しい方法論を生み出す知恵も集まらず、アイドルビジネスも試行錯誤の連続という状況。
幸い、AKB的ビジネスは何とか目処が立った。
後は、今回のノーハウをどう次に生かしていくかにかかっている。
ま、そんな話を次回にでも。



アイドル論~AKBとGoogle+

AKBがGoogle+と提携というニュースが流れた。
以下はサンスポのネット記事からの引用。

人気アイドルグループ、AKB48とファンが情報共有機能「Google+」(グーグルプラス)を使ってコミュニケーションできるサービスが8日、始まった。同日会見した前田敦子らメンバーは「リアルタイムで書いて、ファンの皆さんと近くなりたい」と新サービスへの期待を語った。

 新サービスはAKB48とグーグルが行う。AKB48と姉妹グループのメンバーが、Google+のページを通じて最新情報を発信する。

 さらに10人同時に参加できるビデオ機能を使い、メンバー本人とファン9人がチャットできるほか、コンサートのライブ配信も行う。



SNSといえば、今やツイッターにfacebookだが、Googleはそれを越えるユーザーを取り込もうというのだろう。
とりあえず、日本ではAKBと組む。
提携の報酬はいくらかは知らないが、増えたユーザー×100円かもしれないし、ユーザーのアクセス回数×10円かもしれない。(1ドルの可能性もありますね。)
契約金いくらというのは、双方リスキーな感じもする。

そういうことで、昨日も書いたがAKBビジネスというのは、過去のアイドルノーハウにはあまり依拠していないのがわかる。
誰か一人に人気が集中するという事態をうまく避けている。
そして、人気を常に流動化させ、新しいアイドルが生まれやすくしている。
広く薄くアイドルファンを集める、アイドルオタもそういう形でうまくとりこめている。
アイドルを擁する事務所はそれゆえ大変だ。
いつ、プロジェクトから捨てられるかもわからないし、またどれだけ自分のアイドルに投資していいのかわからない。
かつては女性アイドルは思い切り囲い込み、外部との接触を不可能にすることもできたが、今はそんな費用をかければ自分の首をしばりかねない。
しかし、儲けるためには、いかに自分のアイドルを差別化し、次のステージ、つまり独立して商品化できるようにしなければ未来はない。
事務所の社長なら悩むところ、しかも、勝手な動きをすればたちどころに放逐されることも覚悟しないといけない。
かといって、プロジェクトと心中する気分でいたら、ブームなんてあっというまに終わってしまう可能性もないではないのだ。
誰が、AKBのアイドル一人一人のリスクを引き受けてくれる?
正直、おにゃんこクラブほど仕事の内容は楽ではない。
モーニング娘。ほど、メンバー一人一人を大事にしてはくれない。
代わりは全国から次々に生まれ、嫌ならやめたらみたいな風も吹くかもしれない。
ほんと、大変だろうな、事務所もアイドル達も。


Googleからすると、AKBと提携したところで、ユーザーは100万程度しか増えない。
1000万単位のユーザーが生まれなければ、SNS業界をリードできないのは誰でもわかることだ。
AKBの篠田麻里子ちゃんで、ツイッターのフォロワー数やっと80万弱だ。
SNS側からすれば、これも一つの話題作りにすぎない、Google+に注意を向けさせることができればそれでいいのだ。
華やかに見えて、その背景にあるのはただの書き割りにすぎない。
アイドルビジネス、過渡期といえど、当人たちには毎日が真剣勝負。
あんまり無理しないで、大人たちの思惑に振り回されないようにと、祈らずにはいられない。