カテゴリー : 2011年 10月21日

過去のブログより~営業の理不尽

今日も過去のブログを転載します。
私は、FM大阪時代、4年間ほど営業外勤、すなわち番組やスポットをスポンサーに売り歩いておりました。
楽しかったことも辛かったことも一杯ありましたが、一番面倒に思ったのは社内のことでした。
外の人に頭を下げたり、お願いしますお願いしますと必死に相手に媚びたりするのは、別に嫌ではありません。
誠意が通じて、相手が、仕方がない、だまされたと思って買ってあげる、今回だけだよと言われると無性に嬉しかったりしたものです。
しかし、鬱陶しいのは会社からの指示。
ああしろ、こうしろと、理不尽な要求を現場に押しつけてくる、それが一番不愉快でした。
バカじゃなかろうか、そんなもの誰が買うかよと思うものを、売れ!という。
で、お前はこれだけ売れ、売れるまで帰ってくるな、だと。
こんな効率の悪いことを、俺にさせるのか、この馬鹿会社!
ま、営業時代、上司とはよくぶつかったものです。
今も同じような感想を持たれている営業マンの方、たくさんおられるでしょうね。
今日は、その第1回目みたいなものだと思って、お読みください。

2002-10-21 21:20
昨日、営業時代に上司は会社に批判的な言辞を認めなかったと言う話をした。
例え、間違っていようと、会社が一度決めたことは守れということだろう。
これは、ソクラテスが「悪法も又、法だ。」と言って毒杯をあおったことと通じるのかもしれない。

しかし、法と言うのはそこに住む集団に適用される者であって、外部のものにまでそれを強要するのはどうだろう。

明らかに相手が不利益になるのがわかっているのに、会社で決めたことだからと言う理由だけで、営業マンといえどそれに従うべきなのか。

私の経験を語ろう。

当時の専務の発案で、アメリカの本場DJを招聘し、朝の時間帯を国際的にしようというプランがあった。
これは別に悪いことではない。
今さら外人DJなんて珍しくもない、という批判はあったが、それ自体が悪いわけでもないので、専務の責任でやられるならどうぞ御自由にというところだった。

もちろん、スポンサーから本場の外人DJ導入ぐらいで引き合いがあるわけはない。
リスナーが、外人DJを支持して初めてスポンサーが動くのだから、当然と言えば当然のことである。

で、専務、大して話題にもならないのを見て、朝ワイドだけではなく、夕方のワイドも外人DJを採用すると決めた。

夕方は学校から帰って来たヤング層が、エアチェック等で頻繁に放送を聞いてくれる時間だ。
別に外人DJである必要もないが、これも、ま、そう思うならどうぞ御自由にと言う感じだった。(あくまで営業的に言っての話。制作内部では色々あったかもしれない)

ここまではいい。

何と、この専務、朝と夕方の時間のスポットはセット売りでないと売らないなどと言い出した。
元々は営業部長が、朝のワイドのスポットが全く売れないことの責任を問われ、苦し紛れに出したプランらしかった。

で、私達はバカじゃないかと文句を言ったのだ。

朝ワイドのスポンサー・ターゲットは基本的に主婦層であり、一部、車で仕事をしている層である。
だから、クライアントは生活用品メーカー(洗剤とか化粧品とか台所用品等)とか車メーカー等がメインだ。

夕方は、もっぱらヤング向けの商品。
レコードメーカーとかレジャー関連とか専門学校とかがメインになる。

夕方のスポットを買うクライアントに、朝のワイドのスポットをセットで売り付けろというのが会社の方針というわけだ。

でも、これ、おかしいでしょう。

学生層をターゲットにした商品を、主婦に宣伝してもどうしようもないのが、クライアントの意見だ。
しかも、夕方を買ったらおまけに付いてくるのなら、我慢のしようもあろう。

正規の値段で買わせろというのだから、無茶苦茶である。

手本は当時の朝日放送のヤングリクエストだと言うのだ。
ヤンリクは、0時台、1時台、2時台をセット売りしていた。
0時台のスポットが欲しければ、聴取率の悪い2時台も一緒に買えというのだが、これは、そこまでして0時台のスポットが欲しいクライアントがいたのだからまだ納得できる。

ターゲットだって、そんなに変わるわけではないので、ぎりぎり許容できる範囲だろう。

しかし、主婦層の時間とヤング層の時間をセットにしてどうするんだと心から思った。

単に朝と夕方を外人DJ番組にしたという局の事情を押しつけているだけではないか。
それを会社が決めたんだから、お前ら営業マンは文句を言わずに売ってこい、はないだろう。

結果、そんなセットは少しも売れなかった。
当時の営業部長が、専務を説得出来なかったばかりに現場にその矛盾を押しつけただけなのである。

売れなかったから何かペナルティはあったか?

これが実は何もないのだ。
当の部長も、売上が全く伸びないことをもって営業マンを責めることもなかった。
しばらくすると、セット売りの話なんか誰もしなくなった。

朝の時間は相変わらずスポットは売れず、夕方はスポット満杯という状況が戻って来た。

情けない、営業部長といえばそうなのだが、戦前の日本の軍部なんて、結局これとほぼ同じ状況だったに違いない。

大本営の方針は全く根拠のないトンデモ政策だったとしても、下士官は誰一人その問題点を指摘出来なかった。

アメリカを敵にまわしても勝ち目がないことは誰でも知っていたが、一度、決定されたことには反対ができないという馬鹿な掟があったのだ。

私達営業マンは、それで嫌な目にあうだけで済んだが、昔の兵隊さんは、それで自分の命を犠牲にしていったのである。

代償の差はあれ、何て馬鹿馬鹿しい日本人の性癖だろうか。

何か、営業時代の理不尽をこの稿書きながら色々思い出して来た。
ムカムカするので、今日の更新はこれぐらいでやめておこう。


言いたいことはわかってもらえました?でも、こんなこと今の日本社会には日常茶飯事だと思うよ、こんな社会構造持っている日本人が愛国心を持つとどうなるか、少し不安じゃないでしょうか、いかがです?



愛国心云々については、最近、水木しげる「昭和史」全8巻を読んだのですが、まあ愛国心の名の下に、どれだけ戦前の若者は理不尽なことを押し付けられていたのかを痛感しました。
国を愛することと、理不尽をおしつけられることは、天と地ぐらいの違いがあります。
特に教育に押しつけは一番ハーモナイズしないと思います。
営業の理不尽については、本当色々言いたいことがあるのですが、ま、それもおいおいと。