カテゴリー : 2011年 11月

アイドル論~序説2

今、一番売れるのはアイドルだと石坂敬一氏が言っている。
確かに、モンスター的に売れているAKBを筆頭に、NMBにSKEにHKTなんてのも話題になっている。
ももいろクローバーとかフェアリーとか7とか雨後の筍のように、各地でアイドルが生まれている。
こうなると、過剰投資気味だったモーニング娘。を擁するハロプロ系は辛いだろう。
このアイドル市場、無限に金があるわけではない。
いわゆる限界産業ともいえるもので、アイドル市場の限定的なパイを分け合うしかないのだ。
一度売れれば、ずっと売れるというのは、今や考えられない。
アイドルは各地で後から後から生まれる。
少し前までは、アイドルはブランド勝負だった。
松田聖子、中森明菜、ピンクレディー、名前そのものがブランドなのである。
モーニング娘。もそうだった。
業界は、それらのネーミングをブランド化するために、億単位の金をつぎ込んできた。
ブランド化すれば、もうほっといてもアイドル関係商品は売れる。
CDなんか、その一部にすぎない。
アイドルは音楽を売っているのではなく、ブランドを売っている。
まあ、言ってみればキティちゃんと大して変わらない。
ブランド化させる費用=宣伝費、それは半端なものではなかった。
だが、今生まれてきているアイドルには、そんな宣伝費は要らないらしい。
従来のような大量販売大量消費など考えていないという。
確かにそうだ、私が関与したアイドルイベントも、ほとんど費用はかかっていないが、それなりの売上は読める。
もはやテレビや雑誌などへの宣伝費など、無理して計上する必要はない。
ネットで十分だし、ファンは自ら情報を収集し、口コミの形でプロモーションしてくれる。
金を使ってブランドを作る必要はなくなった、今はそういう時代なのだ。
今繋がりあっているファンとそのまま繋がっていればそこそこのビジネスにはなる。
もちろん、たくさんのスタッフを抱え込むことはできないが、音楽業界が衰退している今、そんなにスタッフを抱え込むことはかえってリスクになる。
とにかく、今までのアイドル業界の方法論は考え直した方がいい。
多様なニーズに多様な品種で応えるという方法論が必要ではないだろうか。
AKBのブームなど、そんなに長くは続かない。
K-POPも、どこかで違った進化が始まるはず、今はこれまで日本のアーチストが持っていなかったものが受けているだけで、今後は日本側も1~2年で取り込んでしまうことは間違いないからだ。
私は、とにかくその後の進化がとても楽しみ。
その変化は、今私が関与しているアクターズスクールの子供たちから少しずつ感じてくるはず。
アイドル業界、音楽業界ほど、衰退しないという気が今の私にはしている。

アイドル論~序説

11/27に書いた「アイドル、K-POP、アニメ、子供、J-POP、演歌、洋楽」という石坂さんが指摘したプライオリティ。
確かに、音楽業界的瞬発力を持ったのは、こういう順番なんだろうと思う。
レコードショップへ行けば、一番売れ筋の、いわゆるPOPの置いてある順は今ではこんな感じだろう。
J-POP、かっては一番良い場所を大きく占めていたのだが、今では過去の栄光という感じも否めない。
一番商品が動くのは、まずアイドル。
例えて言うなら100枚商品が入れば、短時日に100枚が出て行く。
ショップとしては、一番歓迎すべき筋の商品である。
K-POPも、同じようにすごい。
主に若い女性~オバちゃんが何だかんだと言って、買って行く。
特にこの層は、あまりネットで音楽は事足れりとしないので、ショップ的には一番プロモーションをかけたいところだ。
言い換えるならば、J-POPの購買層の多くは、ネットに依拠しているということかもしれない。
特にアルバムがCDとして動かない。
ネットでは、音楽を断片で聞く。
アルバムに対するニーズはよほどでなければ生まれない。
とはいえ、アーチスト側は、今もアルバム>シングルという図式にこだわっているようだ。
自分を表現するには、シングルでは限界があると思っているのかもしれない。
単純に、アルバムを作れるアーチストが一番かっこいいと思っているのかもしれない。
アルバムはシングルの延長にあるとは、今やほとんど思われなくなっているのだろうか。
確かにアルバムが一枚あれば、ライブはやりやすいが、さて・・・。


で、アイドル論である。
アイドルには、基本的にコンセプトアルバムは必要ない。
シングルヒットを連発し、その延長がアルバムであればいいのだ。
アルバムは、付録だらけ。
昔の、子供の月刊誌みたいに、特別20大付録付きなんてのも面白いかもしれない。
中味を売るために、付録で付加価値をつける。
そういえば、最近の女性月刊誌は、付録を買っているようなものが増えている。
シングルヒット+付録、アイドルのアルバムの売り方、何かそんな気がするのだが、いかが?



過去のブログより~今年の音楽界

11/1付けでワーナーミュージック・ジャパンの代表取締役会長 兼 CEO に就任された石坂敬一氏のインタビューがある。

http://www.musicman-net.com/report/66.html

東芝から始まり、EMI~ユニバーサルと渡り歩き、そして今度はワーナー。
ビートルズの名前とともに、進化されてきたという印象が強い石坂氏。
今も現役で溌剌と活動されていることに敬意を表したい。
石坂さんがこれから何をしようとされているのかは、インタビュー記事を読んでいただくことにして、その中での次の発言にはとりあえず注目してみたい。
「今大きく言えば、アイドル、K-POP、アニメソング、子供の歌、それからJ-POPがあって演歌、洋楽。この中で、今のトレンドの中心はアイドル。」
音楽業界が活性化するには、シングルヒットが欠かせないというのは私も同感。
アルバムは芸術作品としては重要なアイテムだが、業界の賑わいを作りだすには、もっと小さいものがあちこちで飛び跳ねているという現象が大事だろう。
シングルヒットを生み出せない音楽業界は沈滞するだけだ。(ま、クラシックとかジャズといったレベルで存在することで良しとするなら、あえていいませんが。)
で、今のトレントをアイドルといい、ついでK-POP、アニメと並べていくのを見ていると、さすが業界がよく見えているなあと感心する。
このプライオリティの認識、なかなか重要ですよ。


さて、それはさておき、今日は10年前に書いたブログから「今年の音楽界」を紹介する。
10年前の音楽界に対する認識、参考程度にお読みください。


2001-12-4 20:47
レコード業界も年末商戦まっただ中です。
思うようにCDが売れないのは今年に始まったことではありません。
しかし、今年は輪をかけてやばいそうです。

ちなみに先頃発表されたNHK紅白歌合戦の出場組で、年間100万枚以上売り上げたのは次の7組。

浜崎 あゆみ /ケミストリー /モーニング娘。 /ゴスペラーズ /DA PUMP /ウルフルズ)& Re:Japan
/エヴリ・リトル・シング

演歌歌手はほとんど10万枚以下だそうです。

紅白歌合戦は、言ってみれば今年の巨人軍みたいなものかもしれません。
中年以上のオッサン、オバハンにしか支持されそうもないということです。

宇多田、倉木、aiko、矢井田、桑田、ミスチル、ユーミン、GLAY等々。

紅白歌合戦に出場するインセンティブなど、この人たちにはきっとないのでしょう。

中島みゆきが出るそぶりを見せたと週刊誌にはあったが、今さら出るはずないよ、と私さえそう思う。

で、振り返って今年の音楽界はどうだったのだろうか。

一言で言うと、インパクトに欠けた一年だったといえる。
ケミストリーとか、矢井田のブレイクは今年だったかもしれないが、デビュー的には去年だったはず。

コブクロもイマイチ届かずというところか。

総じて、ニュームーブメントがやや貧困な一年だった。
メーカーは数字の読めるアーチストしかCDを作らなかった。
こういうのは切磋琢磨が基本のはず。
生きのいい新人アーチストが、様々なジャンルで出て来ない限り、活性化等ありえない。

今や、レコード会社は売れそうなジャンルの音しか作らない。
で、結果、どれも同じような音になってしまい、音楽ファンの一部のコアな連中は、ああだこうだと言い合っているが、その周辺で音楽を聞いている層には、わざわざ買って聞こう等とは思わない曲ばかりになる。

コアな部分で商売できるほど、音楽業界は小さくない。もっと多くのユーザーが買ってくれないと、業界はもたないのだ。
にもかかわらず、この体たらく。

音楽事務所からは脱税による逮捕者続出。
某女性歌手など、移籍料17億だと。

そんなボロい商売?だったら、買ってやらない!
何か消費者を食い物にしているようなイメージを持ちませんか?みなさん。

来年の音楽業界は、ますます厳しくなります。
音楽交換ファイルによる、ユーザー同士の曲の交換はもっと活発化するでしょう。

今はやり方を、ユーザーが知らないだけです。
使いはじめたら、滅多なことではCDなど買わなくなります。

レコード業界には、今のところ何の打開策もありません。
できるのは、著作隣接権の主張の下に、新しい音楽ツールを排斥することだけです。

そんなことやっている場合でしょうか。

落ち目の紅白、もうやめたらいいのにのレコード大賞の中継(賞自体はやめないでね)。
音楽の流通は今や過渡期です。
来年こそは、積極的なソリューションの提起を是非お願いしたいものです。



10年前の、もはや落ち目と書いた音楽業界、それでも100万枚以上の売上があるアーチストはまだ一杯いたのだということがわかる。
今は、選挙権とやらがついて、やっと100万枚。
もはやミリオンなんて、業界的には稀有のことという認識が一般的なようだ。
何しろ、最近では3万枚売れれば、とりあえずOKらしい。
ほんと3万枚なんて、ついこの間まで、鼻もひっかけないような数字だったのに。
音楽交換ファイルは、何とか業界は退治できたようだが、それ以上のメディアが生まれたことにより、結局パッケージ・コンテンツは衰退し、ノンパッケージが業界人のハンドリングできないまま普及してしまった。
10年前は使い方を知らなかった普通の人が、当たり前のようにスマートフォンだのiPodだのをいじっている。
なのに、業界人は相変わらずCDの売り上げがどうのこうの。
TBSのカウントダウンTVなんか、いつまでやるつもりなのだろうか。
さて、これからの10年、音楽業界はどう変わっていくか。
もし、私がこういうものを書く機会があったとしたら、その時にもう一度この問題にコメントするのも一興ではあるまいか。