カテゴリー : 2011年 12月9日

アイドル論~アイドルは儲かるか

アイドルビジネスは音楽業界衰退とともに、効率のいい商売ではなくなっているというような話をしてきた。
アイドルが今まで儲かってきたとするならば、それは音楽業界で潤沢にお金が還流していたということにつきるだろう。
アイドルを擁する事務所、特に歌手の場合、そのお金は契約したレコード会社から契約金・育成金と言う形で前払い金が入ってきていたというのがある。
契約金1億、月間育成金1000万という条件でレコード会社と契約すれば、事務所はとりあえず回る。
アイドルは、その代わり年間3~4枚の新曲を発売、それを毎回30万枚ほど売れば大合格になる。(アイドルは年間を通じて、休むまもなくテレビや取材に追われ、とても人間の生活とは呼べない状況になるが)
レコード会社は、アイドルが年間100万枚シングルを売ってくれれば、10億ぐらい金が入ってくる。
育成金ぐらい安いものである。
他にもシングルを集めたアルバムも売れるし、新しいアイドル発掘にも金を回せる。
とにかく、アイドルをめぐってお金は見事に還流していたのである。
今は、なかなかこうは行かない。
契約金はゼロということはないだろうが、今や往年の影はなかろう。
育成金なんか果たして出ているだろうか。
事務所はもちろん困るが、その代わり曲の原盤権(及び出版権)を事務所側でキープしているというのが一般的ではないだろうか。
しかし、アイドルをデビューさせる時に前払いされるわけではないので、事務所側もある程度の金を用意しておかなければならない。
しかも、売れなければ、これらの金はすべて消えてしまう。
早い話、とてもリスキーなビジネス、それがアイドルビジネスということになる。
今でこそ、AKBは、一体どれだけ儲けているんだという話が出ているが、2年前までAKBがどれだけ金食い虫であり、それをプロデュースした秋元康さんにどれだけの冷たい批判があったか。
芸能界は水もの、AKBがあたったのも、ある意味結果論。
お金をあれだけ突っ込めば、誰がやってもあれだけ売れるだろうというのは、大きな間違いである。
薄氷を踏むような勝利だった、それが私の知る結論である。
とにかく、狙うところがでかすぎたということも、一つの要因としてあったろう。
しかも、かつてのように音楽業界に金が潤沢に回り、少々損をしても、何かで簡単に埋まっていた時代ではなくなったのだ。
モモコクラブなんか、大失敗の一つだったし、後期イカ天のバンドなんか、投資した金は回収もされず、ブームは消え去ってしまった。
とにかく、今の音楽業界には一時期のような金は存在しない。
にもかかわらず、新しい方法論を生み出す知恵も集まらず、アイドルビジネスも試行錯誤の連続という状況。
幸い、AKB的ビジネスは何とか目処が立った。
後は、今回のノーハウをどう次に生かしていくかにかかっている。
ま、そんな話を次回にでも。