カテゴリー : 2012年 1月

2012年の展望~radikoの行方・2

radikoについては、昨年私の別のブログに何度か書いています。
フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編というのですが、興味のある方はご覧ください。
その一部を紹介しますと。


最近、気になっているブログがあります。
「radikoは救世主なのか、という話。」

http://freefielder.jp/blog/2011/01/radiko.html

結論は、衝撃。
「ラジオ局は、radikoに参加することによって全日平均聴取率が0.006ポイント増加することが期待できる。」だそうです。
でも、こんな慰めの言葉も。
「実数として一日40万人のリスナーが増えたので、それはそれで大きい…という考え方もあるでしょう・・」
で、radikoは救世主なのか?という問いに対しては冷たくこう言われます。
「radikoが地上波ラジオの救世主になるという認識は限りなく甘い考え、な気がします。」



最後の絶望的な宣告は、多分今のようなことをやっていたらダメ、何か別の方策を考えなさいとご教示いただいていると解釈すべきでしょう。
ラジオをラジオのままでradikoにしても、本質的には変わっていないのだから何も生まれないという意味なのだと考えてください。
もっとも、ご紹介したブログは昨年の1月段階のものであり、1年たった今では、微妙に状況は変わっているかもしれません。
ただ、残念なことにポジティブな情報は、私の知るラジオ関係者からはこれといって聞かせていただけませんでした。


ある人はこう言いました。
ーradikoの利用状況は、もちろんラジオ関係者なら把握している。
ーでも、それが外に出ると、ほとんどの局が困る。
ー実際のデータは、例えばあるラジオ局にとってはあまりにも悲惨だったりする。
ーだからradikoをラジオのマーケティングに使われたら、困惑する局が続出すると思われている。
ーradikoは、こんなに凄いとあまりラジオ側から言わない理由は、そういうところにあるんだろうね。


ならばと私は思いました。
radikoでよく聞かれているラジオ局もあるはずなのだから、その局だけでも「radikoでこんなに聴かれています」とプロモーションしてもいいのではないかと。
ここで差をつけるチャンスじゃないですか。
でも、その人は言いました。
ーそれでも、外に大々的に言えるほどのデータじゃないということだと思うよ。


データを外に出せなければ、それがラジオの救世主になるとはとても言えません。
スタートしてから1年あまり経ったのです。
そろそろ対外的にradikoのデータを、例え数字的に低くても発表すべきではないでしょうか。
何もデータがなければ、好意的なネットユーザーも応援のしようがありません。
情報は公開されてこそ、次の展開が生まれるのですはないでしょうか。
とはいえ、聴取率でさえ、数字が悪いラジオ局は対外的に発表しないのが普通です。
radikoのデータだけ悪くても出すなんてこと、業界の体質から考えてありえないことかもしれません。


ということで、radiko、今後の動向に大きな期待を持って注視していきたいと思っております。


さて、これからFM大阪の同期と新年の飲み会です。
radikoの話、はたして出てくるかな?



2012年放送業界の展望~radikoの行方

2012年、放送業界の展望、今日はradikoをとりあげたい。
radikoとは「日本のラジオ放送をインターネットで同時にサイマル配信するサービス」(Wikipedia)である。
つまり、マーケット的にはネットビジネスということになるが、今のところビジネスとしてはあまり活用されていない。
従来の広告放送との整合性が取れないから積極的にセールスされていなかったという説明もある。
昨年11月29日の産経のサイトにはこうあった。

ラジコは既に日本民間放送連盟加盟のラジオ全100社に参加を呼びかけ、現在は48社54局(試験配信含む)が参加。来年4月初頭には70社超となる見込みという。リスナー層は従来のラジオより10歳程度若いことが調査で分かっており、「ラジコを聴けるスマートフォン(多機能携帯電話)のさらなる普及で、若者の間でラジオが盛り返すチャンス」と期待をかける。

70社を越えるラジオ局が参加するのである。
少しも儲からないではすまないだろう。
スマートフォンが人気だし、アプリで聞けるようになるのだから、若者がもう一度ラジオを認識してくれるだろうと期待されているようだ。

でも、頭の中がまだラジオのままなんだよなあ。
これはラジオではありません、その発展形radikoなんです、と何故言わないのだろう。


ラジオがラジオのままradikoになったところで、若い人が何故関心を持ってくれると思うのか。
2012年は、参加ラジオ局が増えただけ、それで終わってしまいかねない。
これだけ増えたから、広告主が注目してくれるだろう、なんて考えていませんよね。
放送局のウェブサイトがネットの世界でこんなに増えました、と言っているのと同じものを感じるのだが、どうだろう。


画期的なメディア「radiko」、それはこんな風に使い、、またこんな風にも利用できる。
その使われ方が、今若者の間にひそかに人気になっている。
「ほら、これですよ、こんな風にしてこうしたら、めっちゃ楽しいじゃないですか」と若者の声。
あるクライアントもこう言っています。
「半信半疑で提供させてもらったんですが、いやあ、こんな風に使うんですね、若者は。好印象で、おかげでよく話題にしてもらっています。私たちも利用していて本当に便利です。」


ビジネスとは、例えばこういうものでなくてはいけません。
今のラジオ放送が、そのままインターネットに流れているだけでは新しい需要は生まれません。
それはサイマル放送を実施しているコミュニティFMにしても、一部のラジオ局にしても、もはや自明のことではありませんか?
radikoのサイトにバナー広告を貼ったところで、その売上を参加局に分配するのは大変だし、そんな色あせたサイトビジネス、話題になるはずもなしでは。


とにかく、イメージを広げるには、今ある制限をひとまず取っ払い、自由に各局に商売のやり方を投げかけるというのが必要ではないだろうか。
そして繰り返しになるが、コンテンツをネットの中に投げ込み、それをユーザーが自由にアプリ化できたり、自分のサイトにコンテンツとして利用できたりしてもらうことも一つの方法だと思うのだ。
MORE FREE  MORE EXCITING!
ネットのビジネスの端緒は常に自由でないといけない。
アイデアに枠をつけるのは、成功してからでいい。
私は心からそう思う。


radikoの話、次回も続けたい。




2012年の展望~放送局編 「待てば海路の・・

放送業界は迷いの中にあると書きました。
新しいビジネスモデルは必要である、しかしそれが何かわからない。
で、ほとんどの放送経営者が当面の方針としているのは何か。
それは、「しばらく様子見」なのです、多分。
問題意識は共有されているはずと、昨日私は書きました。
だが、どうしていいのか自信がない、そこで賢人たる放送局のエリートたちはこう決めました。


今は、とにかく待ってみよう。
そのうち、誰かが答えを見出すに違いない。
その答えを待って、それを越える方策を考えようと。


何度も書いていますが、民間放送局のビジネスモデルを作ってきたのは<広告代理店>だったのです。
偉そうなことを言う放送マンは多数おります。
しかし、商売、すなわちビジネスモデルを磨きあげてきたのは、決して放送局側ではない。
それは、営業マンとしての経験もさせていただいた私が痛感していることなのです。
何故、そういう風に思うようになったのか、とりあえず2012年の展望を書いてから、そのことについて経験談を話そうと思います。


で、放送業界、今年2012年のスタンスはウェイティングです。
WAITING!
テレビ業界は、デジタルテレビを使って何ができるかをまともに考えているとは思えません。
これなら絶対に金になるという普遍的な方法論が見つからないのです。
dボタンを使って双方向なんてことをお題目のように唱えていますが、dボタンが富を作ったりしたなんて話を聞いたことがありません。
一番使っているのはNHKじゃないですか?先日の紅白でもdボタンで参加した一般視聴者の力が、紅組勝利を生んだわけですから。
確かに劇的な一瞬を見させてもらいましたが、あれはNHKだからこそできる技でしょう。
民放は何をするにせよ、スポンサーからの広告費が担保されていなければなりません。
あのボタンを使って何か面白い企画を考えろといっても、商売に直結するようなものは現場から出てこないような気がします。
放送業界が望んでいるのは、広告代理店が方法論を開発し、それにスポンサーをつけて持ってくることでしょう。
でも、広告代理店も今のところ、これといったものを開発できていない。
仕方がないので、放送業界は「待っている」わけです。
様子見、ウェイティング、きょろきょろ回りを見渡しながら、俺はまだマシだな、なんて思っていそうです。


上の例、radikoでも顕著に見られていますね。
そろそろ広告代理店が企画にしてくれるはず、これまで相当の参加費を払ってきたのだ、何かあるだろう、何かあるはず。
でも、ユーザー、すなわちリスナーの方々はほとんどこう思っているはず。
今のradikoは中途半端だ。
やるなら、地域制限をやめろ、音がよくなるだけでは、ムーブメントなんか起こしようがない、と。
そうです、今のradikoは、今の放送サービスを少しアレンジしただけです。
これは便利だ、これはすごい技術だ、なんて誰も思いません。
これを全国のラジオがどこでも聞くことができるサービスにすれば、必ずやネットユーザーが飛びつき、色々なブログやアプリが生まれて、radikoそのものを楽しめるようになるはずです。
それこそが、新しいビジネスの始まりになるのです。
でも、実際にそれができない、一体何故。
ということで、次回はradikoの話を中心に書いてみます。
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