カテゴリー : 2012年 4月

番外・手っ取り早い販促がらみのラジオの売り方他

昨日の補足をいくつか書きます。
一生懸命ラジオを売っている友人の話。
接待攻勢というのは、正直いって今はあまり有効ではありません。
それだけクライアント側も、間に入った代理店も、お金の動き方にシビアになったからです。
少し前までは、とりあえず適当な名目で売上を代理店あてに立てておき、それを未収扱いにして、その後違う名目で回収するということは日常茶飯事に行われていたようです。
ドンブリ勘定が許されていた頃の名残といえましょう。
しかし、ラジオが売れなくなり、違う名目も立てられなくなると未収金は未収金のまま残されるようになりました。
回収不能、しかたなく引当て処理。
今では、あまりこういう未収扱いで、クライアントや代理店の接待に使うなんてことはやらないでしょうね。
とりあえず、適当な名目でお金だけ預かり、後にその金をバックさせるなんてのも無理になったかもしれません。
商売のやりかたが正当になった分、ラジオは辛い、そんな感想を持つのですが、どうなんでしょうね本当のところ。


月額30万の番組枠というのは、レコード会社とよくやった手法です。
新人のアーチストをデビューさせる、まず名前を売るためにラジオ番組を持たせる、期間は1クール(3ヶ月間)、費用は全部で100万円というふうに。
レコード会社としては、名前を売るのもそうですが、アーチストにしゃべりを学ばせるのにちょうどいいのです。
局のディレクターが色々と番組での喋り方を伝授してくれます。
ついでに、そのディレクターがアーチストを応援してくれますし、代わりに宣伝してくれたりします。
番組が終わっても、そのつきあいでゲストに出してもらえたりしますから、レコード会社としては有効なプロモーション方法なのだと思います。
残念ながら、今やそのレコード会社、新人アーチストに100万を出す余力はありません。
何しろ、CD、一応の合格である1万枚に全く届かない状況です。
デビューしても売れないアーチストにそんな金は使えません。
できることはプロモーターにサンプルCDを配らせること、そしてゲスト枠に入れてくれとお願いすることだけです。
ま、そういうことで、レコード会社に枠を売れないなら、クライアントの皆さまどうですか?となり、その額30万円。
しかし、その30万円が出せない、それが今のラジオの価値なのかもしれませんけどね。


手っ取り早いラジオの売り方、それは販促がらみだと昨日書きました。
ラジオの価値というよりも、販促イベントの価値が問われるやり方です。
4/29,30とニッポン放送は、「THEラジオパークin日比谷」というイベントやっています。
「いつもは耳だけでニッポン放送をお楽しみいただいているアナタに、全身でニッポン放送を楽しんでいただくためのイベント」なんだそうです。
ま、何言っているのかよくわかりませんが、見せるラジオのイベントですね。
人が一杯集まってくれば、当然協賛スポンサーもとれるでしょう。
以下は協賛各社です。

FDK株式会社/大関株式会社/株式会社ガトーよこはま/
公益社団法人国土緑化推進機構/
ニッポンの小麦プロジェクト/株式会社シーボン/
東日本旅客鉄道株式会社/
株式会社染めQテクノロジィ/成田ゆめ牧場/
株式会社ポプラ社/マルコメ株式会社/
株式会社リロバケーションズ

一番大きなクライアントは東日本旅客鉄道、JR東日本ですかね。
普段どれだけニッポン放送に出稿されているか知りませんが、こういうイベント協賛は効果がすぐにわかるので、クライアント内部で決めやすいでしょうね。
それでラジオが評価されるならいいことなんでしょう。
とはいえ、今年のGW、あまりラジオ局主催のイベントって目立ちませんね。
何故なのでしょうか?
そんな話をシリーズ ラジオの売り方(9)として次回にお届けします。
皆さんのお近くのラジオ局がGWに実施する野外イベントなど、ありましたらお知らせいただければうれしいです。



シリーズ ラジオの売り方(8)

ラジオはもはや正攻法では売れない、そういう声が一般的になってきました。
クライアントからすると、例えば今度の新商品、どういう広告展開をしようと考えた時に、テレビは対象になってもラジオはよほどの事がない限り、検討はされないのが普通でしょう。
むしろ、広告代理店がラジオも加えましょうと言ったら、「それでどんな効果があるんですか?」と聞かれて絶句するだけではないかと。
ラジオって、広告効果のデータがなさすぎるんです。
こんな風にやれば、こんな効果がありましたという資料をラジオ局はよく作りますが、それがどんな場合でも応用できるかというと、イマイチ疑問なのです。
確かにその時は効果があったかもしれないけど、今回の商品にも適用できる根拠がない。
多いんですよ、そんな話。
ラジオ局側からすると、ぜひとも出稿がほしいクライアントなのでしょうが、クライアント側は心がときめかない、担当者に相当の自信がなければ、ラジオに広告費を回すことに躊躇するのは当たり前かもしれません。


一時期、日本ラジオ広告推進機構(RABJ)がラジオの広告効果に関するデータを6年間にわたって収集し、ラジオ各局に提供してきました。
そのデータ、それ自体は確かにラジオの広告効果を考えさせるいい資料にはなったのですが、現実にこれを使って商売に結び付けたという実例をあまり知りません。
つまり、RABJのひとり相撲みたいな様相を呈したというか、ラジオ各局からのフォローがそれほどなかったというのが現実だったのではないでしょうか。
フォローがなければ機構も存続できず、2010年にその活動を終了してしまいました。
今では、その名前を覚えている人も少なくなった、というか、ラジオ局の社員が最初からRABJを知っていたかどうかも危ういものです。
どんな優秀なシンクタンクを持っていても、それを活用する側が無知なままでは宝の持ち腐れ。
ラジオ局側の人たち、残念ながらその方面の努力、余りにも足りないというのが私の実感なのです。
(イノベーターが少ないんですね、イノベーションなど起きるはずもなしというか。)


まあまあ、ラジオを売ることに努力している友人がいるのですが、彼はとにかく毎日広告代理店を訪ね、新しい商品の販売計画を知るや、その中にラジオを加えてくれるよう懇願しています。
もちろん、ただお願いするだけでは、クライアントはうんとは言いません。
そこで幾つか、クライアントがしょうがないなと思ってくれるような方策を色々と考えているようです。
1つは、古典的ですがクライアントや広告代理店の接待攻勢。
ラジオに出稿すれば広告的価値があるという話はやめ、ただただ出稿してもらえればあなたはこんなに得ですよという方法論。
金に余裕があるクライアントや代理店なら、よほどの堅物でないかぎり、話に乗ってくるでしょう。
そのバリエーションは色々あるのですが、ノーハウを教えることになるのでここでは割愛します。
正直、ラジオが売れるのではなく、オプションが売れるという感じなので、普遍的な方法論には程遠い気はしますね。


二つ目、クライアント、または代理店の担当が好きな、あるいは贔屓にしているタレント、アーチスト、どこかの女性、これらをラジオに出演させるので出稿よろしくというやり方。
月額30万円ぐらい出してもらえれば、相談に乗りますよ・・・。
これは私の勝手な相場観なのだが、この月額30万というのは一つのメルクマールだと思う。
30分番組であまりリスナーの数字がとれない時間帯に限定されるでしょうが、出る人にとったら時間などはあまり関係有りません。
とにかく、○○ラジオに出演という名前があればいい。
ラジオにレギュラー出演というのは、今もブランド的に有効なのです。
コミュニティFMに出演でも、そこそこ話題にはなります、それぐらいラジオに出るということには今も重みがあるのです。
広告価値はなくてもブランド価値はある、それがラジオなのです、そう思いませんか。


第三に、これは少しはまともな売り方なのですが、新商品の販促の場を地域的に設定し、看板番組とタイアップしてリスナーをそこに集める(実際に集まるのはリスナーかどうかはここでは問いません)、そのためのプロモーション費用を出しませんかという提案です。
クライアントは販促の場が気にいれば、予算を回してくれます。
早い話、どこかで展開しないといけない、それがラジオ局であろうと何だろうと提案してきて何となく面白そうなら、採用するのが当たり前でしょう。
そうです、きわめてラジオ的な商売のやり方です。
本当はこのやり方が一番手っ取り早いのですが、ラジオ局側からそんなにしょっちゅう提案は出てきません。
それは何故?
ということで、次回はこの一番手っ取り早い販促がらみのラジオの売り方について色々語ってみたいと思います。
私のラジオ局の友人、本当、なかなか頑張ってますよ。



シリーズ ラジオの売り方(7)

今日は4月25日、GW直前で、業務が俄然輻輳してまいりました。
どの仕事を4/27にまでに終わらせ、どれを5/7以降に持ち越すか。
年末年始より厳しいスケジュールだなと思わせるのは、まだ身体が慣れていないせいなのか、それともこの時期の業務の停滞は致命的なのか、そのあたりが判断できないからなのかもしれません。
そういうことで、ここしばらく忙しくさせてもらっています。
それもポジティブなものではなく、トラブル解決のためのネガティブ作業。
早い話、一円にもならない仕事、その作業代はすべて持ち出し、仕事にはつきものですが、ほとんど個人的に仕事をしている身には、どんな出費でも身体にこたえます。
頭の中が、トラブル処理で一杯になると、他の情報発信が滞る。
このブログに書きこむ精神的余裕がなくなるのも、私には辛いことです。
ぼやいても仕方がありませんが、この時期同じような境遇にある方へのエールとして、戯言を書かせてもらいました。


さて、ラジオの売り方の7回目。
とにかく、従来のように、タイムどうですか?スポットどうですか?こういう人たちにメッセージがリーチしますよ、という売り方はラジオの売り方としては説得性を持たなくなった、それは否定できないようです。
なのに、経営者の方は、代理店に行け、スポンサーに行け、ラジオをもっと売ってこい!売れないのは営業マンがたるんでるからだと精神論をぶちます。
確かに、大ぐくりにすれば、営業マンの力不足という指摘は間違いではありません。
営業の声も聞いて今年度の売上予算を組んだのだから、それを達成できないのは営業の責任だと言われれば誰も反論できないでしょう。
しかし、考えても見てください。
そのビジネスモデルは、もはや破綻しかかっているのです。
使えないビジネスモデルの上で売上予算を組んだ責任は営業にはありません、すべて経営者側にあります。
世の中のトレンドを読めない経営者に、営業の非を一方的に叱責されても、現場には不満がたまるだけです。
誰もwin-winにはなれない。
経営者は不満を持ち、営業マンも不満を持つ。
リスナーはもっと不満を持つ、何だよ、ラジオショッピングなんかやめちまえよ・・・。


三方よし、なんて考え方があるようですが、ここには「よし」と思うものは誰もいません。
あるラジオ局の管理者がぼそっといいました。
「現場はもう皆疲弊している。一生懸命やっているのに成果が出ない、それを頭ごなしに非難するボード(経営者)がいる。今やっていることは惰性の延長。とにかく皆が元気になるような方針がラジオには必要なんだ。」
私は、ラジオの売り方について、色々書いてきていますが、もっと根本的な問題があるんだと指摘されているような気がします。
商売は紙の上で起こっているわけではない。現場で起こっているのだ、それを再確認した上でのラジオの売り方が必要なのかもしれません。


私は、ラジオショッピングに対しては、ラジオ局にこう提案したいです。
とにかく、番組のパーソナリティをラジオショッピングに絡ませてはいけません。
番組の体裁をとるのをやめてほしい、これはコマーシャルなのだと、リスナーにわからせた上で放送してください。
これは、リスナーの錯覚を利用した商法ではありませんか。
自分が信頼しているパーソナリティがこう言っているのだから、買ってみようという心理を利用しているだけではありませんか。
ラジオは、錯覚を生み出すための材料をクライアントに売り渡しているじゃありませんか。
もっとニュートラルな人をメッセンジャーとして起用すべきです。
これはコマーシャルだ、番組とは関係ないのだと言ってラジオショッピングをおやりになるなら、誰も文句は言わないと思います。(ただし、スイッチを切られるかもしれませんが)


もっとも、そんなことをすれば、広告代理店は黙っていないでしょう。
何を考えている、パーソナリティが相槌を打つから、商品の良さを代わりに話してくれるから、クライアントは金を出すのだ。
パーソナリティが絡まないなら、提供はやめる、それでもいいのか、と半分脅しにかかるでしょう。
繰り返します。
ラジオの売り方を作ってきたのは、ラジオ局ではない、広告代理店だ。
おまえら、誰のおかげで、放送局でござい、とふんぞり返っていられると思っているんだ!


だから、民放連で規約をつくればいいのです。
ラジオショッピング、テレビショッピングの内規のようなものを制定する、CMに関してこれまでも色々ルールを決めてきているではないですか。
ショッピングだって、もっとリスナーや視聴者のことを考えたルール作りをするべきでしょう。
本当にそうしないと、ユーザーから嫌われますよ、まだ何とか許容されている時に、規制すべきものは規制しておくべきです。
番組のパーソナリティはラジオショッピングには絡んではいけないとか、番組の関係者はサクラと間違われるような言動をしてはいけない、とかです。
おまえらは香具師かと思われるような表現を、いやしくも国民の共有財産である電波を使って流していいのか、そう言われないために自主規制すべきです。


実際、クライアント側だってがんばっておられるじゃないですか。
ジャパネットたかた、社長が自ら出てきて、商品を一生懸命説明し、何かありましたら私がすべて責任を持ちますと高くて大きな声で語っておられるではありませんか。
何故、そうしないのですか。
商品の提供者が自分の責任で説明しなさいよ。
有名芸能人をサクラに使わないでください、ラジオパーソナリティを太鼓持ち(幇間)に使わないでください。
無理やり局のアナウンサーに、過剰なヨイショをさせないでください。
すべてが、リスナーには不快なのです。
嘘っぽい番組にするな、その瑕疵がいつかすべての番組に伝染っていくかもしれないじゃないですか。


ラジオショッピングをやめろとはいいません、とにかく本来の形にもどすべきです。
放送局がサクラになってはいけません。
本当の桜の木になって、人々がそれを愛でるために集まってくる、そんな憩いの場にすることをもう一度考えてみてほしいと心から願います。