カテゴリー : 2012年 9月

ラジオに望むこと

昨日、かつてFM大阪があった中之島の朝日新聞ビルが取り壊されるというので、関係者が集まりパーティを開いた。
私も都合がついたので出席してきたが、久しぶりに会う人も多く、楽しい時間を過ごすことができた。
中で、とりわけ懐かしかったのが私が制作を担当していた「Pops We Love You!」出演の田村愛ちゃん。
番組はポップスのベスト10番組で、土曜日夕方に放送、なかなかの人気番組だった。
メインDJは今もアーチスト活動を続けている増田俊郎
通称、マッスン。
柳ジョージやJウォークに曲を提供したりもしていた。
構成作家として、今は文化人兼養蜂家の上田賢一郎氏。
毎回ちゃんと台本を書き、ベスト10もスタッフで本当にたくさん送られてきていた葉書を集計して作っていた。
もはや、メールでもあんなに反応は来ないだろうなあ。


さて、田村愛ちゃんである。
24年ぶりの再会。
もう50を過ぎたというのだが、正直30代にしかみえなかった。
いや、20代の私が知っている時より魅力的になり、思わずむしゃぶりつきたくなるくらい。(おかげで2回もハグしてしまったが)
今、何してるの?
亭主のやっているイベント会社を手伝っている、豊島美雪さん、今うちの所属、あ、元阪神の広澤克実も。
ネッツ・コミュニケーションズ取締役の名刺。
よかった、タレントやめていて、味のある喋りはするが、基本的に下手くそ。
イベントのMCとか、とても任せられない人だったからね。


さて、そういうことはさておき、昔の仲間が集まったパーティの場は旧交を温めると同時に、今のラジオへの不満などを語りあう場でもあった。
私は思い切り、叫んだ。
今のFM大阪、自社制作番組をもっと増やすべき、東京からのネットを漫然と受けるべきではない。
多分、その場にいた人たちは、大体賛成という感じだった。
面白い放送をするためには、自分たちで番組を作り、それを批判したり評価しあったりする環境が必要だ。
しかし、そんな経験が共有されなくなった今のFM大阪に望むのは無理かもしれない。
この場でいくら盛り上っても、それは大した力にはならないのは残念ながら否定できないのだ。


このパーティ、現役の社員、スタッフにも招待状を送ったらしいのだが、誰ひとり出席していなかった。
そういう場を胡散臭いと感じたのかもしれない。
今の自分たちとは関係ない場だと思ったのだろう、何となくわかる。
今のFM大阪は、過去のFM大阪とは、どこか切れている。
それは中之島から湊町に移ったからだろうか、それとも過去の栄光に浴し、何となく楽しく生きているOBたちへの不信なのだろうか。
今は、本当に大変なのだ、給料は減る、仕事は面白くない、しかも今の状況がいつまで続くかわからない。
現在と過去は連帯していない、それが何故なのか、曰く言い難いものがある。


そんな切れた関係の中で、FM大阪に何を望めばいいのだろうか。
ラジオに対して、何を望めばいいのだろうか。
昨日も書いたが、私の願いは簡単だ。
ナンバーワンの位置を得るためにもっと切磋琢磨すること。
一人でも多くのリスナーをつかむこと。
みんなが楽しみにしながら、毎日始まりを待つ番組を作ること。
それほど難しい話ではない。
レストランでいえば、みんなが何回でも食べたくなるような料理を出すことと同じだ。
それが商売というものだ。
適当に料理したものしかメニューに並ばないと、誰もわざわざ食べには来ないだろう。
客のニーズに気づかないものに、利益を上げられるはずがない。
そんなことも忘れてしまったのか、いや、元々そんな発想を持った経営者はいなかったのか。


ラジオに望むこと、とりわけFM大阪に望むこと、明日からシリーズとして書いてみよう。
何か、今まで同じようなことをさんざん書いてきた気もするが、まとめてみるとどうなるか。
そういうことで、これからそれを意識してみることにする。
また、読んでみてください、よろしくどうぞ。



ナンバーワン あればこそ・・

わが古巣のラジオ局、FM大阪に今ないものは。
数え上げれば切りがありませんが、一番強調したいのはナンバーワンが何もないこと。
スポットでは、確か大阪のナンバーワン・ステーションとか言っていましたが、一度リスナーに問いかけてみてほしいですね。
FM大阪のナンバーワンって、何?


この番組は、文句なしに大阪ナンバーワン、いや日本ナンバーワンと言えるもの、何かありますか。
今でも伝説になっている番組、思い出になっている番組、過去には多くありました。
50代以上なら、必ずその恩恵に与ったと口にされる番組、それが「ビート・オン・プラザ」。
多くのライターの方が、書籍や雑誌の中で、その名前をノスタルジーとともに取り上げられています。
でも、悲しいかな、ウィキペディアには存在しない、何故なんでしょうね。
ビートオンプラザは、検索していただければわかりますが、本当に多くの方がブログに思い出を書かれています。
思い出に残るナンバーワンFM番組、私はそれが「ビートオンプラザ」だと思っています。


その後も話題になった番組、例えば「中島らもの月光通信」「忌野清志郎の夜をぶっとばせ!」とか、何かの拍子に取り上げられるようです。
とにかく、誰もが簡単に作れない番組、大阪ナンバーワンの番組を作る、それが制作者の意地だったような気がします。
今では、FM大阪にナンバーワン番組って、何かありますか?
社員が現場の管理に回ってしまったから、ナンバーワンの番組を作ろうという制作者としての意地がなくなったのかもしれません。
横山やすしさんじゃないですが、一着とらんと話にならんのです。
合格点を取っている場合じゃない、一等賞を取りにいかなあかんのです。


一等賞をとるには、日頃から努力していないといけません。
ま、これぐらいの番組作っといたらええか、では未来はありません。
だから、日々切磋琢磨できる場所を放送局は用意しないとあきません。
金にならんから、JFNの番組でも流しとけ、そんな発想、だれが持ち込んだのでしょう。
放送局が道場でもあることに気づかない経営者は、簡単にその修練の場を取り払います。
JFNの番組受けといたらええんだ、そのために分担金も払っているんだ。
今でも、検討されているらしいこと、それはニュースを自前で編成するのを止め、JFNのニュースを受けろ、とか。
部外者が口出すことではないかもしれませんが、ローカル局の矜持ってないのでしょうかね。


ナンバーワンを捨てた局には、もはやリスナーからの支持は得られません。
TOKYO FMはいいですよ、あそこにはナンバーワンと言えるものがある。
売上ナンバーワンということもありますが、「JET STREAM」という看板番組がありますし、「ウェイティングバー」「あ、安部礼司」「山下達郎のサンデーソングブック」などという珠玉のようなプログラムを日々作っています。
FM大阪はそれを確かに受けて流していますが、あれはFM大阪の番組ではありません。
リスナーは誰も評価しません、よく流して下さいましたという感謝の気持ちも伝わってきません。
TFM as NO.1,but not FMO.
これで802に勝てますか?Cocoloと対抗できますか?


とにかく、FMOが生き延びる道は、可能な限り東京からのネット番組(特にJFN制作番組)を受けることをやめ、自社制作に切り替えることです。
金にもならない番組を何故放送するのか、私にはその志が理解できません。


などと、言いたい放題を書いてみました。
どこからか、また苦情が来るかもしれませんが、私何か間違っているでしょうか。
ナンバーワンであることを忘れたカナリアは、南港の海に流すしかないのでしょうか。



どうなる、ラジオとテレビ

放送業界で禄を食んだものとして、気になるのは今後のラジオやテレビの行方。
テレビ、巷間言われていることは、それほど遠くない未来に地方局が立ち行かなくなるということ。
地方局のビジネスモデルは、キー局から番組と電波料をもらって放送局を維持するというもので、そんな殿様商売的なことはもはやテレビ業界では無理なのだそうです。
何しろ、キー局の売上、今後も期待できません。
売上が増えているように見えたとしても、それは従来のような広告費で稼ぐというものではありません。
放送外収入、それで売上を維持しているのです。
地方局から、番組ください、電波料もくださいと無心されても、もはや潤沢に金を回すのは不可能です。
調子のいい時には、金をやるからおとなしく従えと言って地方局を支配してきたキー局、放送収入が減りはじめると、地方局はキー局におんぶにだっこは止め、自立するべきだと言いだす。
大体、今まで楽してきたのだから、これからは自己責任で経営しろ、そんなの当たり前だろ、と。
それ、本当に当たり前のことでしたか?


今、全国には5つの民放テレビ・ネットワークがありますが、多分3つぐらいのネットワークに再編されるだろうと言われています。
今と同じ程度の放送を維持しようと思えば、テレビの広告予算規模からすれば、3つが限度らしいのです。
それまでは、毎年毎年だましだまししながらテレビ業界は推移して行くらしい。
デジタルテレビ化、地デジ化は、淘汰のスピードを加速させたという声もあるようです。
皮肉なものです、便利になればなるほど、自分たちの存在基盤が危うくなる。


音楽業界もそういうえば、同じですね。
音楽を一人一人がハンドリングできるようになれば、過去のビジネスモデルは崩れ、従来の経営母体が維持できなくなるようです。
レコード会社の再編が今後も進むように、テレビも又再編されていくのかもしれません。


さて、私の愛するラジオの世界はどうでしょう。
選択肢は今後も増えて行くようです。
AMにFM、そして短波という時代から、コミュニティFM、マルチメディア放送、インターネット放送(radiko含む)、衛星ラジオ、有線放送、電波のホワイトスペースの活用なんていうのもあります。
ライフスタイルの多様化に合わせて、お好きなメディアをご利用くださいということのようですが、さて、一体どれがリーズナブルな存在なのでしょうか。


前にも書きましたが、電通発表のラジオ広告費は、2008年1550億円、2009年1370億円、2010年1299億円、2011年1247億円です。
多分、2012年はさらに減少するでしょう。
業界はどんどんシュリンクしていますが、今までの蓄えもあって何とかラジオは経費削減で持ちこたえています。
しかし、そんな我慢大会をいつまで続けることができるでしょうか。
崩壊はいきなりやってくる、そんな不安がどうしてもよぎります。
ラジオはこのままであってほしい、いつまでも自分たちと共にあってほしい。
でも、今の状況、10月改編の内容を見ていると、手放しで評価できるような兆候は生まれていません。
何か、今の日本の政治の世界にも通暁するような事態が続いています。
ほんと、どうなるんでしょうね、気になることだらけです。