カテゴリー : 2012年 12月

メディアは世につれ~テレビにもラジオにも今年は色々ありまして・・

気づけば今年もあと少しで終わり。
2012年、皆さんにはどんな年でしたでしょうか。
私的には、正直ろくでもない年でした。
何とか、健康を取り戻しかかった頃に、身内でのゴタゴタ発生。
おかげで業務にも悪影響が出て、そのリカバーに必ずしも成功せずで、そのまま年末を迎えてしまった次第。
ついでに他人のトラブルにまで引きずり込まれ、このブログをアップする余裕までなくしてしまいました。
自立できずに、他人に依存してしまう連中多すぎますね。
それでも、仕事をした気でいるのですから、情けなくなってしまいます。


さて、来年はどうなるか。
政権も変わったことですから、私も自分の人生をリセットしようと思っています。
おかげさまで、自分の仕事は自分で作ることができる能力は身に付けたので、歩き始めれば何とかなるだろうと思っています。
私の不安要因は、多分知力も体力も、ラジオ業界と同じように右肩下がりに落ちて行くことですかね。
これは仕方ありません。
ノーハウや経験力はそれほど落ちないと思いますから、しばらくは一線で活動できるでしょう。
このブログもそれを維持するためにも、何とか続けて行きたい、そう思っております。


先日、久しぶりに大阪湊町にある古巣のFM局にお邪魔してきました。
一番の関心事、今後の放送業界のあり方、特にV-Low問題を技術担当の方からレクチャーしてもらい、大変参考になった次第。
既に、卒業してしまった私を、皆さん暖かい気持ちで迎えてくださったのが、とても印象的でした。
大体、辞めた人間なんか無視するのが会社という組織の習性です。
何しに来た、用がないなら早く帰れ、そんな目を感じるという人、多いです。
OBを処遇するシステム、持っていないのがとても残念。
OBは、会社の一番のファンであるはず。
放送局なら、そういう人たちを大事にするのは当たり前なのに、会社として何も用意されていない。
温故知新というではないか、何故先人の知識を今の参考にしようとしないのだろうか。


ま、いいです、ないものねだりの子守唄ですから。
さて、V-Low問題、何かわけわからない状況ですね。
現状を一度まとめたものを作ろうかなと思いますが、細かい部分の情報をキャッチしていないので、少し取材などに時間がかかるかもしれません。
FM関係者からの声はある程度理解していても、それだけで判断するわけにはいかない気がします。
V-Lowマルチメディア放送推進全国協議会の方は、今のところ誰ひとり知りませんし、その実態も把握できていませんから。
正月は、この報告書をじっくり読んで、私なりの学習をはじめてみるつもりです。
叩けよ、さらば開かれん、ですか。


今年一年、テレビ業界、ラジオ業界、手放しで評価できること何があったでしょうか。
テレビの業績、中間決算ではプラスだったと発表する局が多かったですが、そりゃ、去年は東北大震災の影響をもろに受け、テレビのスポットはACのような非営利系ばかりだったのですから、当たり前といえば当たり前です。
いや、むしろ皆さんはこう思いませんか。
全然、スポンサーのCMがなかったのに、何故タイムやスポットの売上があったのかと。
その金、どこから来たのでしょう。
わけわからん、そうじゃないですか?
もちろん、業界はそのことについては何も言いません、おかしいと思っても絶対にメディアはとりあげません。
そういうこと多いです。
ラジオ業界にも色々あります、同じようなこと。


放送各局の来年3月決算、さてどういう数字が並ぶでしょうか。
そして、次年度の年間予算をどう立てるでしょうか。
クライアント的にはいい話など多分出てこないでしょう。
メディアは世につれて位置は変わりますし、その形も変化していくものです。
ネットメディアの価値はさらに重要性を増し、主と従の関係も微妙に動いていくでしょう。
テレビはツイッターの声を意識せざるを得ず、どんどん画面の中に取り込み始めました。
youtubeやUstream、ニコニコ動画の価値はさらに増すことは間違いありません。
自分たちを中心に時代は回っていると自負していたマスコミ業界、多分若い層からその意識は薄れ始めるでしょう。
オジサン、オバサンがのさばれる時代は終焉を迎え始めたともいえます。
何が来年起きるか、少数派の私には期待したいことが一杯ある年になってほしいものです。



FM大阪~決算内容についての素人的感想

J-WAVE、FM802と決算内容について書いてきました。
ついでと言っては何ですが、FM大阪の決算についても触れてみようと思います。


ネットでサーチしても、FM大阪の売上はFM802ほどヒットしません。
ウィキペディアに2010年(平成22年)3月期の決算状況が書いてありますので、まずそれを紹介します。

売上  22億8,288万円(2010年3月期)
営業利益 6,455万円(2010年3月期)
純利益 4,707万円(2010年3月期)
純資産 11億7,175万円(2010年3月31日時点)
総資産 19億6,903万円

同時期のFM802は、前回書いたとおり、売上げ28億 2億の赤字でした。
802が851より5億余りも売上が多いのに何故赤字?という気がしますが、ご承知の通り802はほとんどの番組を自社制作しています。
TFMやJFNに依拠している部分が多いFM大阪とは制作経費が違うのです。
私は、このブログで、FM大阪も出来るかぎり自社制作番組を増やせば、FM802にレーティングで対抗できると書いていますが、この数字を見ると躊躇するのも理解できますね。


さて、FM大阪、この時の決算では何とか4700万の黒字計上をしておりますが、見聞したところ、相当の苦労をした上での黒字だったようです。
何しろ、同じくウィキペディアの中で、「2006年度決算で、売上高が前年度比18.4%のマイナス、純損失4億円で5期連続の赤字となった。事態打開を図るため、系列キー局のTOKYO FMへ経営支援を要請した。結果、同社の関連会社であるジャパンエフエムネットワーク(JFNC)からの経営支援を受けることとなり、前田一社長をはじめとする常勤役員が総退陣。エフエム大阪出身のJFNC専務・原田久夫が新社長に就任した。2007年8月から9月にかけて、全曜日で放送していた早朝の生放送を廃止し朝の全国ネット番組のネットを開始。」などと書かれているくらいですから。
その時の経費カット、自社制作をやめ、番組をJFNから受けるだけではありません。
本社のある湊町リバープレイスの6階部分の賃借スペース(子会社、会議室、技術管理室他)を全て撤去しましたし、目玉だったオープンスタジオ(ゲスト次第では、3000人以上が集まる広大なスペースがあった)も返却。(返されたほうは迷惑だったでしょうね。FM大阪のために建設施工したのですから。)
ついでに地下部分にあった倉庫と駐車スペースもビルに返しましたから、これだけでも年間1億以上(具体的な数字は不明)は経費をカットしたのじゃなかったでしょうか。


とにかくカットできるものは思い切りカット、その結果やっと達成した黒字化だったと聞いております。
しかし、まあこれだけカットしたら、どうしても世間にFM大阪がシュリンクした、もはや嘗てのイメージは維持できないと思われても仕方ない気がしますね。
その時の無理が祟ったのかもしれないですね、今年の決算がらみで~FMラジオ局「エフエム大阪」(大阪市浪速区)が主催イベントの契約トラブルにより、今年3月期決算(売り上げ23億円)で約4億円の特別損失を計上したことが10日までに分かった。~という記事が出ました。
これは毎日新聞のネット版に掲載されたリードですが、元々は前日に読売新聞大阪本社版に大々的に掲載され、大騒ぎになったものです。
読売はネット版には掲載しませんでしたが、毎日で知ったネットユーザーが多かったようです。
(今はネットにこの記事は存在しません。お読みになりたい方は図書館でお探しください。)


さて話を戻して、この記事から、24年3月期の売上が23億円であったことがわかります。
22年の売上とほとんど変わりません。
売上を維持しているだけでも偉いといえるのかもしれませんが、その売上には先ほどの4億円の特別損失が含まれるのです。
主催イベントの契約トラブルと書いていますが、これはこの年に起きたわけではなく、何年かの分が解消できないまま、最終的に4億円になったのだろうと推察されます。
つまり、何とか黒字にしようとした経営上の無理が、結果的に4億の特別損失を生んだのだろうということです。

で、そのことが公になったからでしょうか、今期の決算がPDFでネット上に発表されています。
バランスシートの要旨だけなので、慣れてない人にはわかりにくいでしょうが、ここから読み取れるのは次の点です。

◎純資産が8.25億、総資産が15.28億です。これは、最初に書いた純資産11.7億あまりから3.5億近く減っています。また総資産19.69億から4.4億余りも減です。
単純に言って、相当な資産の毀損ですが、多分そこに4億の特別損失が計上されているのでしょう。
しかし、あの湊町リバープレイスにある巨大な顔をした放送局の総資産がわずか15.28億だなんて、何か唖然としてしまいませんか。
(ちなみに、お隣のFM愛知さんは、純資産43億2938万円(2011年3月31日時点)総資産50億826万円(2011年3月31日時点)ですよ。ついでにTFMは、純資産 249億1323万円(2011年3月31日時点)総資産 367億1197万円(2011年3月31日時点)となっています。いずれもウィキペディアより)


ということで、J-WAVE、FM802は大変でしょうと書きましたが、FMOも又、経営的な苦戦は今後も続くのではないでしょうか。
一言でいって、これからどうやって総資産を増やそうとするのかでしょう。
何かに新しく投資しようと思っても、この資産では限界があります。
増資するとか、どこかと提携するとか、合併するとかでしょうか。
放送業界の再編、こういう決算の内容を見ても、何か不可避な気がしますね、本当に。



聴取率№1~FM802の苦闘

前回はJ-WAVEの3期赤字について、データをいくつか列挙させてもらいました。
ラジオショッピングとかパチンコ産業、宗教などを扱わないということで、今もセレブ感を失っていない、それは大いに評価できることです。
武士は食わねど高楊枝、多少赤字になっても今のスタンスを続けて欲しい、そう思っているリスナーは多いのではないでしょうか。


さて、そのJ-WAVEと双璧をなす西の帝王FM802です。
聴取率№1、大阪で一番聞かれている放送局として、ライバルのFM大阪を売上的にも圧倒的に引き離していたFM局です。
でも、その帝王も、今やラジオショッピングもパチンコ産業も宗教もすべて受け入れざるを得なくなっています。
リスナーからは、やめて欲しいという声が多く寄せられていると聞きますが、もはやお断りするという強い立場はとれる経営状況ではないと言われているようです。
で、この3年間の売上状況を調べてみました。
22年3月期、売上28億、何と2億の赤字計上。
その後、23年3月は25.6億、やはり赤字2億。
24年3月は28.9億、4500万の黒字と発表されています。(以上連合通信より)
連続赤字から、何とか黒字基調に戻したのは立派と言えるのかもしれませんが、それを支えているのが、先ほど書いたラジオショッピング、パチンコ、宗教ということになると、手放しでは称賛できそうにないようです。


大体、FM802の年間売上げって、確か20年頃は44億ほどあったんじゃなかったでしょうか。
それが22年の決算で28億って、どれだけ売上が落ちているんでしょう。
(ちなみに平成19年前後の報告書がネットにアップされていましたので興味のある方は参照してください。)
J-WAVEと比較してみましょう。
ネットにあるデータを見ると、平成19年は63.9億、利益は3.85億だそうです。
平成22年(2010年)3月期決算の売上は55.7億で、純利益は1.56億でしたから、802ほどではありませんが、8億余り減ったことになります。
結局、ラジオという媒体に魅力を感じなくなったクライアントが次々に落ちて行ったということになるのでしょう。例え、リスナーから一番に評価されていたとしても、宣伝費を使うメディアではなくなりつつある証左かもしれません。


FM802に関しては、その音楽業界との結びつきは他局の比ではありませんでした。
レコード会社の方がよく言っていましたが、東京では宣伝費を何局かのラジオ局に使わざるをえないが、大阪はFM802一本でいい、他にもFM局はあるが、とにかくFM802を優先するという姿勢が顕著だったと思います。
もちろん、ジャニーズやAVEX、アイドルはFM802は放送しないという立場を貫いていましたが、いわゆるJ-POP系のアーチスト全盛の時代、ミリオン続出のアーチストをうまく取り込むことにより、CD売上額に連動するような売上を確保していたといわれています。
802のヘビーローテーションに乗せれば売れる、そんな風評が生まれ、争って802にレコード会社が売り込むといういい時代もあったのです。


しかし、もはやそんな潤沢な金はレコード会社にはありません。
新曲の発売スポットは激減しました、ほとんど聞くこともなくなったのではないでしょうか。
アーチストのライブ告知スポットは今もしょっちゅう流れていますが、利益額は比べるべくもありません。
とにかく、レコード会社からの出稿がなくなった、それが44億→28億へと売上が落ちた重要なファクターであると私は思っています。


さて、これからFM802はどうなるでしょうか。
最新の情報は次の通りです。(連合通信12/7)

営業収入16億円、経常損失42百万円、純損失46百万円=FM802、平成25年3月期中間決算

詳しく言えば、16億76百万円(前年同期比133・5%)、営業損失50百万円、経常損失42百万円、中間純損失46百万円だそうです。
また赤字に戻ってしまったみたいですね。
売上の133.5%は、ご存知の通り、FMcocoloの売上が加味された数字です。
cocoloの売上は年間4.6億と言われていましたので、その半分2.3億がオンされたとして、802の正味の売上は14.46億ということになります。
そうですね、昨年とほぼ同じみたいですね、それでいて赤字額が増えている、多分cocoloの吸収に伴う費用が発生したのでしょう。
FMcocoloには、本当に稼いでもらわないといけないですね、赤字の元凶になったのでは立つ瀬がありませんから。


結論ということではありませんが、FM802の今後は相当しんどい気がします。
とてつもなく売上げが伸びる要素、今の放送の中には感じられないというのが私の意見です。
そういえば、FM大阪も開局20周年を越えたあたりから自然な伸び代がなくなりはじめ、革新的な方針を立てられないまま、長期に経営環境が悪化して行ったような気がします。
FM802も、開局20年を過ぎ、伸び代を失い始めているというのが事実なのではないでしょうか。
違う道を歩んでいたはずが、いつのまにか先人の道を辿ってしまっているとでもいいますか。
商売の難しさ、流れに乗るだけでは続かない、多分そういうことなのでしょうね。


とはいえ、1局2波体制にチャレンジして停滞を脱しようとしているFM802、その姿勢は大いに評価したいですし、今後も関西の文化のために貢献していってほしいと説に願う次第です。
何しろ、私の古巣局は、その願いに対応する雰囲気をまるで失っていますから。