カテゴリー : 2013年 3月11日

デジタルラジオはどうなる~V-Low政策を見直し?(その5)

V-Low帯の話、簡単にまとめました。
総務省は、従来マルチメディア放送に割り当てるとしていたV-Low帯を、アナログFM帯として使う可能性もありという姿勢を見せ始めました。
もちろん、それを直接的に言及はしていませんが、「放送ネットワークの強靭化に関する検討会」の発足とともに、それらしい情報がマスコミに漏れだし始めているようです。


今の所、前面に出ているのがAM局の救済。
多分、当分黒字体質にはならないだろうという予想が民放連から出され、次の送信機の更新が財政的にできないというコメントが流れ、この苦境を脱するためには、アナログFM局にするのが一番いい、そのためにV-Low帯を使おう、と。
わからないでもないです。
だいたい、今売られているラジオのほとんどは76~108Mhzをカバーしていて、1ch~3CHのテレビの音声を聞くことができていました。
つまり、アナログFMならそのまま聞けるのです。
デジタルラジオのような新しい端末を新たに購入する必要はありません。


で、すぐに切り替えるのは問題だから、しばらくはサイマルでなんて言っていますが、AMもFMも放送するなんて無駄はどの局も本当はしたくないはず。
そのあたり、総務省に調整してもらって、一番いい選択をしたいと思っているでしょう。
AMとしての電波利権も簡単には手放したくないでしょうし、そのあたりは思惑が錯綜しているのでしょうが、既存のFM局は、ああそうですかと簡単にOKするはずもなし。
おれたちにも何か寄こせと言うか、それともエフエム東京のように、マルチメディア放送を既定の方針どおりに認可せよと要求するか。
マルチメディア放送にはコミュニティFMも関わりはじめているので、このあたりの利害の調整は相当難しそうです。


だいたい、AM局のサイマルはマルチメディア放送でできるではないかという声もありますし、何故アナログFMなのだという疑問は繰り返されるでしょうね。
さて、私の古巣のFM局はどうするのだろう。
JFNと歩調を合わせてはいますが、基本的に冷ややかというか、それほど必死にマルチメディア放送を追求しているようには見えません。
今のFM放送とマルチメディア放送は別物という意識が強い、radikoもうまくビジネス化できていないのに、マルチメディア放送で何ができるかなど、考えも及ばないというのが本音じゃないでしょうか。
そのあたり、TFMはベンチャー的なビジネスに昔から熱心ですよね。
PCM音楽放送(ミュージックバード)、BSラジオ、MX-TV、ジグノシステムズ等々。
ああいった発想はFM大阪には昔からないですね。
きわめて保守的というか、金のかかる新しいことには手を出さないというか。
私がミュージックバードを辞めた時にも、私の後任を出そうとはしませんでしたし、その後の増資にも応じませんでした。
今は、社長がTFMから派遣されていますが、減少する一方の売上状況を立て直すのに精いっぱいで、マルチメディア放送に全力で取り組むなどという余裕はないでしょうね。


さて、これからどんな回答が総務省から出てくるのでしょうか。
大手の広告代理店は、アナログFM化かマルチメディア放送か、どちらが自分たちにプラスすると判断するのか。
残念ながら、それに関する見解はほとんど出されていません。
多分、どちらもさほど自分たちの利益につながらないと考えているのかもしれません。
高みの見物、実際それどころじゃないでしょうからね、広告の世界も。
ということで、いきなり持ち出されたAMのアナログFM化、新しい情報があれば又紹介しますが、ひとまずこのシリーズ、今回で中締めということで。