カテゴリー : 2014年 3月

有料サービス「radiko.jpプレミアム(エリアフリー聴取)」が2014年4月1日からスタート

さて、私がずっと叫んできたradikoの配信エリアを越えたサービスがスタートすることになった。
今までは第1フェーズ、4月からは第2フェーズがスタートするとリリースにあった。
気なる点はいくつもあるが、まずはその試みにおめでとうと言っておきたい。


気になる点は何かということだが、できれば国内という枠は何とかならなかったのかと思う。
世界にいる日本人に聞かせてあげればよいのにと思うが、著作権的な許可の問題があったのだろうか。
それと、サーバ代がかさむので、有料にしたということ。
金払ってまで、エリア外の放送を聴く人口をどれぐらい見積もったのだろう。
これも将来的に利益を分配するための資料にしようということなのだろうか。
とにかく、radikoは現実に何人その放送を聞いているか、的確にわかるはず。
金払って聞いている人も、多分何らかの設定をすればリアルタイムにわかるだろう。
本当は、そのあたりを取材して書いて欲しかった。
イノベーションに繋がるのは、その具体的な数字だからだ。


radikoがどこでも聞けるようになれば、本当のラジオの実力がもっと明らかになるはず。
そのあたり、広報資料は何も言っていないが、リアルタイムに聴取者数がわかるのだから、次にほしいのはその数字の発表である。
そんなの絶対に出さない、という放送局もあるだろう。
早い話、赤裸々な競争はしたくないということ、そのぬるま湯的な体質がテレビとの差だろう。
とにかく、ラジオ1.0の時代は終わりに近づきつつある。
これからは、ラジオ2.0の時代だ!それぐらいの強い意志を持って、第2フェーズとやらを語ってほしい。


競争激化はエキサイティングである。
実際にラジオ同士競争していたにもかかわらず、それはテレビのようにショウアップはされて来なかった。
レーティングの数字は挙がってきていても、どの局もさも自分のところが1位のように数字をアレンジしてきていた。
そんなアレンジした数字を出すのではなく、今後はradikoにアクセスしている数字をそのまま出せばいいのだ。
その数で競争すればいい、出せないようならとっとと舞台から退散して欲しい。
それぐらいの大胆さでもって、ラジオを続ける、ラジオが生き残るためには必要な志だと思うがどうだろうか。


ラジオに必要な事はイノベーションである。
情報を公開し、自由な議論の中から、新しいニーズを獲得した放送形態が生まれるはず。
数字をとれない、とりえのない番組は淘汰されるべきだし、数字をとれる番組で利益を確保しながら、たとえ大きな数字がとれなくても、ラジオとして伝えなくてはいけない情報の場を保証できるようにしないと未来はない。


今回のradiko.jpプレミアムが、そのまま第2フェーズを形づくるとは残念ながら今は思えない。
必要な事は、これをきっかけとした情報の開示、そして自由な外部からの参加を認めることだ。
自分たちだけで、ラジオの世界を回しているだけでは、限界は自ずと明らかだろう。
そう、これはただの最初の一歩だ。
問題は、そこから2歩目、3歩目が約束されているか。
一歩進んで二歩下がるの愚だけはおかしてほしくないものだ。



AMラジオ、FMで同時放送へ

最近、考えることが多い。
コミュニティFMを手伝っていることも関係があるのだが、問題意識が次々に生まれてくるのだ。
でも、私にできることは言うほどないのが残念。
このブログを使って、自分の考えていることを発信できればいいのだが、そのためには情報が薄すぎる。
1年ぐらい先だろうか、もしこのブログに書くにしても。


朝日新聞に気にかかる記事があった。
3/13朝刊の1面と7面にV-Low関連のニュース、タイトルが「AMラジオ、FMで同時放送へ」
「総務相の諮問機関・電波監理審議会が12日、難聴取・災害対策を条件に、AM局にもFM放送の免許を出せるよう規制緩和することを認める答申を出した。」ということを受けての記事。
答申が出た以上、今さらこれを覆すわけにもいかないだろう。
大阪本社版には、次のような追加がある。
「MBSラジオ(大阪)によると、同局、ABCラジオ、ラジオ大阪の在反3局は歩調をそろえ、早ければ2015年末にFM放送を始める方針という。」

7面の記事は、もう少し中味がある。
「AMも維持 国求める~同時放送 ラジオ局負担懸念」という見出し。


簡単にまとめてみる。
AM局が、難聴取・災害対策のため、FM放送を使って補完することを国が認可する。
ただし、あくまでAM放送は維持すること。
またサイマル(同時)放送であること。
周波数帯は、従来マルチメディア用に使うことになっていた90~95Mhzも利用できること。
新しく作る送信所の整備費に最大2/3の補助金を出したり、法人税や固定資産税を優遇する。
これらは、国土強靭化政策の一環「放送ネットワークの強靱化」を前提に実施する。


ただし、放送局側に取材すると微妙なニュアンスの差が出てきた、と。

ラジオの本音は異なる。MBSラジオの河内一友社長は「本音を言うと、AMを将来的に続けて行くというのは負担だ。」と明かす。(中略)
ニッポン放送の村山創太郎社長も「すぐにもAMをやめることは考えていない」としつつも「実際にFMをやってみて総合的に判断していく」と含みを持たせた。

さて、話が何かややこしくなりはじめた。
AM局がAM放送を続けることに不安を感じ始めているのが露見してきたわけだ。
これは、現場がだいぶ前から言ってきたこと。
「MBSのAM送信所は老朽化が進み、約20年後に建て替えが必要。放送は中断できないため、新しい送信所のために代替地が必要だ。」(同記事)
建て替え費用は膨大である。
FM局なら、同じ鉄塔設備を使うことができるが、AM局のアンテナは別の場所に設置しないといけない。
しかも広大な土地が必要だ、そんな土地を新たに取得しないといけないし、アンテナを設置するだけで10億以上はかかるという。(FMなら1億そこそこぐらいらしい)
FM局に移れるものなら移りたい、もはやAMを維持するのは不可能だという声も聞こえてくる。


難聴地域の解消、災害時の効果的な情報伝達を建前にして、新しい電波をAM局に認可するという方針が決まった。
しかし、認可されるAM局は、とりあえずFM局として動き出せば、後はそのうちAM放送を廃止できるよう国に働きかけて行くつもりかもしれない。
新しくFM放送を始めるとしても、同じ内容の放送なら広告収入がその分増えるとは考えにくい。
経費が増えるのにもかかわらず、売上は同じでは経営は持たない。
しかも、ラジオの売上が伸びる要素は甚だ少ない。


FMで2波を運営しているFM802(FMcocolo併営)にしても、経費増に全く対応できていないのは事実。
テレビが地上波とBSを2波持つのでも、最初はどれだけ苦労したことか。
最近、やっとBSが伸びてきているが、その数字も地上波の売上を食っているだけという指摘もある。
広告費のパイは限られているのだ。
しかも、ネット広告費が毎年増えている。
放送で2波持つなんて、しかもラジオ、そこにどんな目算があるというのだろう。


とにかくスタートさせれば何とかなる。
やばくなったら、国が何とかしてくれるだろう、何しろこれは国策なのだから。
言葉にしなくても、腹の中ではそう思っているに違いないと私は思うのだが、どうだろう。
それでいけば、まだFM東京の方が潔い。
マルチメディア放送への意気込みは凄いし、又々「FM波の返上も」という発言が出てきた。
退路を断つというか、背水の陣というか、それぐらいの気構えがないとラジオ局は生き残れないと宣言しているのだろう。
残念ながら、ほとんどのFM関係者はそこまで腹をくくってはいない。
AM局がFM局に加わってきたらどうなるか、それを不安に思う人が多いのではないか。


本当か嘘か知らないが、今の東京のAM局がキー局となり新しいFMネットワークを構築するという話もあるらしい。
今、JFNに加盟している地方局もその対象だという。
確かに、今のFM東京を見ていると、JFNという全国ネットワークがあるから、まだクライアント(或いは広告代理店)を引き付けている。
AM局も、JFNのような全国ネットワークを完成させれば、JFN並みの媒体価値は生まれてくることは確かだろう。
今はJFNに加盟していても、不満を持っている地方局はあるだろう。
そこが新しいネットワークに移ることはないとは言えない。
東京のAMキー局は、少なくともネットワーク運営のノーハウは持っている。
さて、FMサイマル放送を始めてから、AMキー局は今後どんな方策を打ち出してくるだろうか。


少し前(26/1/31)になるが、総務省は「AMラジオ放送を補完するFM中継局に関する制度整備の基本的方針(案)に対する意見募集の結果」を発表した。
AM局、FM局やNHK、民放連、個人等がパブコメを提出しているその数69社。
AM局のほとんどは、今回の方針に賛成。
FM局は、基本的に賛成だが、AM局のFMサイマル放送は出力を最小限にしろと要望している。
今のFM局と同じ出力を出されたら、商売がたきになる、それは困るので、何とかしろと軒並み言っている。(そりゃ、模範テンプレートがあれば、皆同じになるのは仕方がないが。)
で、総務省の答え。
「難聴、災害時に必要な出力を想定、既存のFM局の出力を越えさせないことが原則」みたいな官僚答弁。
早い話、必要があれば同等の出力でも可能、と読めてしまう。
良いのかな?FM局の皆さんは。


さて、色々思うことはあるが、今回は事実を中心に並べてみた。
個人的な感想を言えば、AM局もFM局も、どうやっても今後茨の道は変わらないだろうということ。
イノベーションを起こせるかどうか、その視点をもう一度再確認されたらいかがと、本当に私の大きなお世話で締めくくる。



昨今の放送業界あれこれ

またも知らぬ間に1ヶ月以上がすぎてしまった。
この間、何をしていたか、慣れぬコミュニティFMでの活動が私にストレスだったのかもしれない。
現象面的には、別に大したことをしていないのだが、理解することが多すぎるというか、考え過ぎるというか、バックグラウンドでの作業に忙殺されていたような気がする。
このあたり、最適なプライオリティを自分につけていかないと、何も形にできないまま時間が過ぎて行きそうな気がする。
そろそろ、考えを改める時が来たのかもしれない。
もうすぐ4月なのだから。


この間、何があったろう。
そうそう、トラックバックしていただいた方のブログにもあったが、NOTTVの契約者が1月に若干減った。
諦め始めている、という印象だ。
もはや、利益を生み出すのは無理ではないかという議論が始まっているはず。
この1年は、何とかごまかしごまかし継続するだろうが、そこにかける費用が減少していくことは容易に推察される。
そんなの商売にならないよと危惧していた人たちをおろそかにした結果だ。
というか、V-highのビジネスすべてが、もはやイノベーションとは無縁なものになっているのは何故なのか。
そんなのネットで十分代替できるではないかと思われるものばかり。
ネットでは効率が悪いから、電波でという考え方ではイノベーションは起きないと私は思う。
ワイアードかアンワイアードかの違いだけではないか。
アンワイアードのメリットって何なのか、少しは考えればいいと思うのだ。(ただし、私に明確な答えがあるわけではない。考えもしないでサービスを始めることが信じられないのだ。)


ならば、V-Lowはどうか。
同じだろう、それが既にネットで展開されているサービスなら、アンワイアードのメリットをもっと前に出すしかない。
ワイアードは、ゼロ・サービス志向(つまり無料)が定着、ユーザーは基本フリー、自分がほしいと思ったものだけに金を出すというスタンスになっている。
だが、今言われているV-Lowのビジネスには、そういうゼロ・サービス志向への放送局側からの提案がない。
民放が無料で放送サービスを続けていられるのは、スポンサーが広告媒体としてその意義を見出していて、そのシステムを維持するための費用を支払っていてくれるからだ。
今後もそのゼロサービスを続けたいなら、己の媒体価値を維持するしか方法がないはず。
だが、V-Lowには、そんな戦略がない。
いやそれ以前に、radikoにその戦略がない。
radikoは可能性を秘めていても、その制限された環境ゆえイノベーションを起こすことができない。
目の前のものに対応できない放送業界に、V-Lowを新しいイノベーションの場にする能力があるだろうか。


民放は相変わらずB2B志向である。
何しろ、業界として自立できていない、相変わらず大手広告代理店にビジネスの根幹を押さえられている。
代理店からすれば、もうそろそろ自分でアイデアを出し、ビジネスとして確立させることで自分たちに新しい利益を提供してくれというところではないか。
チラッチラッと後ろ(広告代理店)を振り返りながら、V-Lowを語る放送人。


いいですか、行きますよ、絶対ついてきて下さいね、あ、押さないで、ちょ、ちょっと待ってください。でも、大丈夫ですよね、行きますよ、いいですか、行きますよ・・・・。


本当にみんなついてくるだろうか。
少なくともAM業界は降りてしまった。
しかも、電波の権利は持っていたいがために、アナログFMという選択まで始めている。
こんなのイノベーションでも何でもない。
補完要因をいくら増やしても、そこから何も生まれない。
radikoがその典型だ。
アナログFMの選択をする前に、それを片づけていけ。
イノベーションなんか、演繹的に生み出そうと思っても無理だろう、違うか?


話を自分に戻す。
放送業界は4月改編の真っ最中。
テレビ的には、「笑っていいとも」や「はなまる」などの長寿番組が終了する。
早い話、テコ入れしないと数字がとれない、できれば制作費も減らしたいという局側の論理があるのだろう。
ま、民放テレビはある程度の視聴率をとっていたら、終了したくてもできない。
同じような番組が横並びにあっても、それをいじることすらできない。
ユーザーからすれば、選択肢を増やせよと思うのだが、赤信号なのだから皆で渡りましょうとなっているのだろう。
今のテレビ、面白くないと思っている層がじわじわと増えている。
何年か先、テレビのビジネスモデルも問い直される時が来るだろう。
今は、過渡期、オッサンオバハン層が淘汰され始めれば、わが世の春は遠のく一方だろう。


テレビはまだいい、時間が猶予されている。
ラジオはもはやどうにもならない。
4月改編、私のまわりには制作費のカットが相変わらず話題になる。
それでも、引き受けてくれる制作会社がある、フリーのディレクターがいる。
でも、イノベーションを起こす余裕が彼らにあるか。
局の社員に、それを領導する能力はあるか?
実際、私が関わっている番組も、制作費カットをつきつけられている。
もはや、誰も抗えない。
仕事がなくなれば、干上がる、まだ水がある間は生きていける、干潟のムツゴロウみたいなものか。
諫早みたいになれば、消えて行くしかない。


V-Lowがうまく行けば、われわれは生き延びられる、そう語る制作会社はない。
IT関連の会社が辛うじて新しい発注を受け、幾つかのプログラムを作成しているが、その発注額は微々たるもの。
ならば、ネットを使ったビジネスの方がまだ可能性があると思っているようだ。
アンワイアードの利点を活用し、イノベーションを起こすためにはどうしたらいいか。
その提案がほしい、ワイアードでできること以外に。
とどのつまり、もはや電波ビジネスには限界があるということなのだろうか。
ま、そういう人が増えているのが現実ではあるが。