シリーズ ラジオの生きる道(11)~サブカルとラジオ・2

ラジオとサブカル論を考えていると、色々な事象が頭の中をかけめぐります。
多分、私が大阪のFM局に在籍していた時、ラジオとはサブカルチャーの表現の場だと信じていたゆえかと思われます。
元々、FM局というものが、サブカル的位置づけだったのではないでしょうか。
ポップスのアルバムを全曲かける、なんてこと普通のラジオではしなかったでしょう。
そのアーチストに興味がなければ、アルバム全部を我慢して聞く人などいるわけがありません。
でも、私のいた局が毎日夕方に流していた「ビート・オン・プラザ」はその典型。(深夜に再放送)
しかも、そのアルバムはすべて最新というか、新曲ばかり。
これが毎日手を変え品を変え流れるのです。
どう考えてもサブカルチャーです。
今、これと同じ番組をやれば、多分聴取率はほとんど取れないと思われます。
聞く側のテンションがある程度上がっていないと、とても最後まで聞くパトスが生まれないでしょう。


つまり、当時ポップスとは若者のサブカルチャーの重要な部分を占めていたのだと思うのです。
FMがそのサブカルをカルチャー領域まで上げるきっかけを与えた、これこそラジオに若者が求めていたものだったのでしょう。
ラジオを若者が聞かなくなったには様々理由があるでしょう。
家にラジオがない、ラジオというものに新しいものを感じない、オジンオバンのメディアには興味ない、他にも接するメディアはいくらでもあり、そんなものに向ける時間がない。
早い話、ラジオには若者へのメッセージがないということでしょう。
机の上にトランジスタラジオが置かれていた時、ラジオは常にメッセージを放っていたのです、スイッチを入れなくても。
それは魔法の箱、そこからはサブカル、つまり俺たちの知りたいこと、俺たちの仲間の声が溢れていたのです。


今、そんなラジオ、どこにあります。
radikoは魔法のアプリですか、掌の中のラジオからそんなメッセージが伝わりますか。
思うんですよ、今皆さんが聞いているラジオって、どんな形をしています?
そのラジオはコンポですか?
それともラジカセですか?
PC?スマートフォン?
そうです、イメージがはっきりしませんね、ラジオという形が人々に見えないのです。
テレビは誰が見てもテレビです、大きさの違いはあったとしても。
ラジオ、どうしてこうバラバラなイメージのままで放置するのでしょう。
いや、放送局の現場の方に聞きます。
貴方の放送を聞いているリスナーは、何を使ってあなたの作っている番組を聞いていると思っていますか。
ラジオの形がわからなければ、それを聞くリスナーの状況もまるでわからないのと違いますか?


私が番組を作るなら、もうリスナーのイメージはある程度固定します。
例えば、カーステレオで聞いているとか、古い家にあったラジカセで聞いている、とか。
リスニングルームでFMを聞いている人が今やいるかどうか知りません、でも、リスナーはリスニングルームにいると考えれば、自ずと作る番組は限定されますね。
何が悲しくってラジオショッピングなんか流します?
くだらない喋り、おそまつな音楽、どうでもいいゲストの声なんか誰が流してほしいと思うでしょう。


ラジオショッピングなんて流すのは、家に昔からあるラジカセで聞いているリスナーというイメージしか思っていないからじゃないですか。
そりゃ、いくらアーチストのライブ告知スポットを流しても、反応はないはずです、そんな音楽的にアクティブな層はラジカセなんかで音楽聞きませんからね、今や。
とにかく、古いイメージでいまだに音楽リスナーをとらえている、今の音楽分野のイノベーターは何で音楽を聞くか、ちょっと考えればわかりそうな話です。
そういう音楽ファンにリーチしたければ、サブカルな臭いのするやや濃いめの音楽プログラムを持ったラジオでなければ無理です。
横で、ラジオショッピング流しているんですよ、レスポンス広告流しているんですよ、そんなものサノバビッチじゃないですか。


ラジオはとんがっていないといけない、私はいつもそう思っています。
そのトンガリの演出は、時として局の上司とぶつかります。
しかし、それを忌避していては、とんがったリスナー、イノベーター層との接点は生まれません。
最近は、残念なことに制作現場のほとんどが下請けの制作会社。
局の上司とぶつかるなんてこと、するはずがありません。
文句は一杯あっても、長いものにはまかれろで旧態依然たる番組を流しています。
それで聴取率を上げろ、何とかしろと言われているわけです。
何か本質的な部分忘れていますよね、今のラジオの現場は。


ラジオの現状に対して言いたいこと、ほんと一杯あります。
これから、このブログでどこまで言えるか、皆さんのコメントなど聞かせてもらえるとうれしいです。
よろしくお願いします。



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