ラジオは赤く燃えるか?~放送落日の詩

遅くなりましたが、2014年、皆さまあけましておめでとうございます。
私、今年から大阪守口市にあるコミュニティFM、FM HANAKOさんの選曲をお手伝いすることになり、昨日生放送に立会ってまいりました。
やはり野に置けレンゲ草と言いますか、私には現場が一番似合いますね、偉そうに放送論を語れるような器量はないような気がいたしました。
とりあえず週一で放送に関わらせていただきますが、さて、いつまで使ってもらえますやら。
貴方は来週から要りませんと言われないよう、地道にコツコツ頑張って行くつもりです。
今年もブログともども、お引き立てよろしくお願いします。


ということで、新年一発目に私は総務省が昨年12月27日に発表した「放送政策に関する調査研究会」第二次取りまとめ(案)をまず紹介してみようと思います。
いわば、今のラジオへの引導が渡された瞬間とでも呼ぶべき文書だと思った内容です。

本研究会の第一次取りまとめ及び放送ネットワークの強靱化に関する検討会の中間取りまとめにおいて指摘されているとおり、民間放送事業者の経営状況は厳しい環境にある。
特に、ラジオは、広告市場が長期継続的に減少する中で売上高の減少が続き、ピーク時の約半分の水準となっている。今後も大幅な改善は期待しにくいため、現状、先行きの見通しともに、極めて厳しい経営状況にあり、テレビと比較して切迫した状況にあると考えられる。
テレビについても、売上は現在「一息ついている」状況と考えられるが、リーマンショックのような大きな経済ショックがあった場合に、経営が急激に悪化する可能性も否定できないなど、先行きに不透明感も漂っており、デジタル化による伝送路・デバイス間の競争激化なども踏まえれば、テレビの経営状況も引き続き厳しくなっていくものと予想される。

どうです、放送関係者には絶望感を与えかねない表現ではないでしょうか。
これからもラジオの経営は厳しい、切迫しているというのですから、いくらラジオ局のエライさんが「今年は増収増益のめどが立ち始めている」なんて記者発表で語ろうと、そんなの信用できんと役所から言われているようなものですからね。
何とか、黒字のメドが立ったとか、こういう分野で売上が伸びているとか言っても、所詮ラジオはもう終わりなんだと国から断定されたら、さて当事者の方々はどんな気分なんでしょうね。
しかも返す刀で、テレビだって安泰じゃないよ、ラジオよりましだという状況なだけで、メディアとしての限界は見えているのだからとまで断定されていますしね。
テレビは一息ついているだけだそうですよ、○○テレビさん。


広告媒体としてのわが世の春はテレビもラジオも終わり、そう言っているような気もしますね。
テレビはそこまで悪いとは私は思えないのですが、ラジオは確かに経営の土台は揺れていますね。
とにかく、今のラジオが利益を出せているのは、極端ともいえる合理化の賜物で、業界全体としては下方スパイラルから抜け出せない状況にあることは事実でしょう。
いわゆるシュリンク過程に入ってしまったメディア=ラジオなのですから。
これが今はやりのベンチャー業界なら、とっくの昔に廃業している放送局が多いはずですが、そこはやはり長い歴史を持つラジオ業界です。
今までの有形無形の遺産があり、だましだまし何とか事業を続けることはできてきました。(独立系の強いバックを持たない新興局は幾つか潰れてしまいましたが。)
しかし、その遺産もいつまでも持ちません、10年後、果たして今のラジオの秩序はどうなっているのか、正直あまり明るい未来は語れそうにありません。


で、今回の表題にある「ラジオは赤く燃えるか?」ですが、これは「Radio is red hot!」から来ています。
それについては、私の別のブログの2005-11-15「さびしい人々」でこう書いています。

アメリカで「Radio is red Hot!」キャンペーンというのがあった。
ラジオは赤く燃えているとでもいうのだろうか。
日本のラジオ業界でも80年代に「RED HOT RADIO」キャンペーンをやったのだが、ほとんど話題にもならず終わったことがある。
日本のラジオが赤く燃えることはないのかもしれない。
ラジオは暖かさであり、愛情である。
その気持ちを忘れたとき、大衆から相手にされなくなる。

ラジオは淋しい人々に語りかけるメディアとこの欄では書いているのですが、詳しいことは一度リンクをクリックして読んでいただければと思います。
ついでに、2006-03-17「Radio is red Hot キャンペーン」にも関連情報を書いていますので、こちらもよろしく。


さて、そこにもあるように80年代に入ってラジオの勢いが落ちてきていたのか、民放連は「RED HOT RADIO」キャンペーンを展開、アメリカの成功例を引き合いに出し、広告業界にもっとラジオをアピールしようとしたわけです。
私も当時は営業担当だったので、RADIOという字がそのままラジオになった赤い受信機をクライアントに配って歩いたりしました。
アメリカではラジオはホットなメディアなのです、日本のラジオも同じ、若者を巻き込んでどんどん熱く燃えていますとアピールしたものです。
反応は、冷やかなものでしたが。
つまり、日本のラジオのキャンペーンって、どこかずれているんです。
継続中の民放ラジオ 統一キャンペーン「ラジオがやってくる!」もそうですし、例の首都圏ラジオ7局スーパープッシュとやらも同じです。(9月に1曲選定して以来、その後どうなったんですかね?)
そんなのやって、どうするのという話です。
業界の自己満足ではありませんか、ラジオのスタッフはそれを通じてどれだけ自分の心の中の炎を燃やしました?


ラジオって、もっと燃えるための素材が必要なんですね。
中にいる社員は、もはや燃えるためのエネルギーを失いつつあります。
燃えにくい素材で何とか燃えようとすれば、滑稽な一人芝居が始まるだけなんです、それが今の現状なんではありませんか。
ラジオはもっと燃えなくちゃ、そのためのソリューション、どれぐらいラジオの内部で提案されているのでしょうか。
その結果が、マルチメディア放送じゃ、誰も燃えようとは思いません、違いますか、関係者の方々。
瞬間的に燃えて終わりみたいなイベントを何度繰り返そうと、永続的に燃える材料にはなりません。
ラジオは、もう一度燃えないといけないと思うのなら、本当に燃える環境をまず作り出さないといけません。
そのために何が必要か、それを真剣に考えることから始めてほしいと痛切に願います。



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