ラジオの現場~制作費カット、経費カット

紅葉まっさかりの季節です。
四季があっというまに入れ替わる、歳をとるにつれ、その速度は早まる一方です。
多分、正月もあっというまに部屋の窓を叩き始めるでしょう。
放送業界、とりわけテレビ業界はお正月番組の収録にてんやわんやなことでしょう。
しかも、何をとちくるったか、衆院選まで実施するなんて。
選挙関連情報、多分薄いものになるでしょう。
なにしろ、政治的な問題をテレビの現場に引き出すには、その余裕も金もなさすぎるのです。
政権側から言わせれば、おとなしく今まで通り、余計な問題を持ち出すなということ。
そのためには、今が一番いい季節なのでしょうね。


私が一番恐れるのは、日本という国が戦前の状況に近づき、先人が犯したミスを知らぬ間に繰り返してしまうことです。
ヒトラーは、悪魔が勝手に招いたわけではありません。
人間が日々生存競争を繰り返す中から、必然的に生まれたのです。
理性は、そんな状況の前ではもろいものです。
本当に恐ろしいのは、自分も含め人の心の中に悪への選択が存在していると言う事実です。
大多数の個人は、悪魔的な状況が生まれることは望んでいないでしょう。
にもかかわらず、日々の小さな変化の中から、それは訪れるのだということです。
夏の暑い時、人は明日冬がやって来るとは思いません。
少しずつ変わる中から、いつのまにか冬がやってくるのです。
まだ大丈夫という意識、それは日々の時間が過ぎる中から徐々に変わって行きます。
原発も大丈夫だという意識は、3年あまり前には多くの人に中にありました。
それが、自然の荒々しい営みの前に、簡単に崩れ去りました。
意識は、変わりゆく現実(存在)の前には、あまりにも無力です。
幾ら、一生懸命生きたいと思っても、運命的な死はそんな意識を完膚無きまでに打ちのめします。


さて、放送業界の話です。
上半期の決算が発表されています。
テレビは、少しだけ業績が伸びているような発表が相次いでいます。
景気がいいようには思えませんが、数字は確実に積み上がった感じがします。
ただ、これは普遍的な真理なのですが、どの業界も本当に悪い数字は表には出しません。
表に出た時には、もうどうしようもない状況にいる、それが経済界の真理です。
最近は、外資系が日本の企業に少しずつ加わってきているので、決算自体の中味にはシビアにはなってきていますが、それでも外に出てくる数字は一部だけです。
本当は、どんな経営状況なのか、外から見ているだけでは本質的な部分はほとんどわかりません。


ラジオ業界、皆さんもご指摘の通り、決して良い決算状況ではありません。
相当無理して数字を作り上げている、私の実感はそういうところでしょうか。
制作現場が嘆く、制作費の毎年のカット、経費のカット、これは下方スパイラルとして健在です。
誰も止められない、少しでもアップすれば、全体のバランスがいびつになるのは避けられません。
なにしろ会社には、絶対に費用を下げられない部分が多く存在するのです。
一番楽なのは、制作費のカット、そうしたところで対外的なダメージは一番少ない、そう認識しているのがラジオ局なのですから。
ただ、外に対してダメージは少なくとも、じわじわとポテンシャルは落ちます。
制作能力も、下方スパイラルを止めることはできません。
デッドエンドとの距離、それは確実に近づいています。
さて、経営陣は、その距離をどう実感しているのでしょうか。


ラジオ業界、AMのFM化、それにTFMが領導するV-Lowマルチメディア、それらがこのデッドエンドへの道のりをどう変えていくかでしょう。
何もしないまま、様子見の全国のラジオ局、いざとなれば親会社のテレビ局がある、それと一体化すればまだ大丈夫などと思っているところもあるのでしょうね。
情報コングロマリット的志向の放送局も生まれ始めているようですが、さて、どこにすべてのソリューションが存在するでしょうか。
これから一つ一つ検証して行こうかなと思っています。
皆さんのご意見はいかがですか?

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